「……やめて」
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――と、監督の一声。凍結する俺。さらに監督の口から飛び出す的確な指示。
「アブノーマルでも白黒はやめて、色はつけてください。グリーン系とか……」
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まあ、これが“演出主導・監督立ち合い”型の正統派(?)監督です。人によっては演打ち以降の打ち合せ・ラッシュチェックを助監督やチーフ・ディレクター任せ(“現場監督配置”型)という監督や、打ち合せ類は各話演出に任せてラッシュ・チェック時200カット以上のリテイク(そのうち70〜80カットの作画リテイク含む)を平気で出す(“死んでくれ”型)監督まで……“監督”として作品を品質管理する手段は様々なようです。
自分が初演出の時の難波さんは“演出主導・監督立ち合い”型の進め方で、正直めちゃくちゃやり辛かったけど、非常に勉強させていただきました。
――ありがとう、難波さん!
面白かったですよ『スケバン刑事(OVA)』!!
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ちなみに『刃牙』の後、難波さんとの仕事は、『はじめの一歩(OVA)』(TVシリーズの西村監督は監修にまわって、監督・難波日登志)の原画を40〜50カットほどお手伝いさせていただいたのみですが、また何か一緒に仕事したいものですねえ……。
そういえば、『スケ刑事』と絡むわけじゃないけど、集英社のW辺様よりのオススメで「女必殺拳」シリーズのDVDを3本まとめて買ってしまいました(また金が……)。いやあー、ヘビー・ローテーションです、仕事中の……!
「女必殺拳」「女必殺拳 危機一髪」「帰って来た女必殺拳」(監督・山口和彦)3本とも、話はほぼ同じながら見所満載!
志穂美悦子演じる女拳士・紅竜が、1作目(「女必殺拳」)では兄、2作目(「同・危機一髪」)では姉が、悪の組織からシャブ(覚せい剤)漬けで殺されて、怒り爆発! ……必殺技“乱花血殺”――!!
腕はぶった斬るわ、目玉は飛び出すわ、千葉真一は突き相手の内蔵ぶちまけるわ、女は裸になるのが基本だわ……もう昭和の刺激でいっぱいです! 「仁義」も「けんか空手」も「地獄拳」も昭和49〜50年あたり……つまり、自分が生まれた頃の日本はかくも刺激を求めていたのですねー。とにかく志穂美悦子はカッコいいですよ! 皆、観ましょう!!
そう、水島教授に借りた「修羅雪姫」(監督・藤田敏八)の梶芽衣子もカッコいいです。これも皆、観ましょう!! やっぱ、映画もアニメも女キャラは戦わなきゃ意味がないんですね。
――話は飛びますが、3月某日、久しぶりに学生時代からの友人達と飲みました。アニメ業界にいるヤツもいないヤツも、学生の頃と変わらず実に下らない話題で朝まで大いに盛り上がり本当に楽しかったです。そういえば、前にアニメーターの先輩に、
「板垣君はまだ若いなあ〜。俺達みたいな歳になると、ある程度巧い(アニメーターとして)人とじゃないと付き合わなくなるもんなんだよ、はははー(大笑)」
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――と言われました。その先輩の真意はいまだによく分かりませんが、業界上の役職に関係なく無条件で自分と付き合ってくれる友人といつまでも楽しく飲めたらいいなあーと俺は思っています。
今度は、マッドハウスのY田君とか『働きマン』O野君とか他、同期の連中を皆誘って大きな飲み会をやりたいです。……すみません、来週こそはアニメの話します。このままだと「サム……。