このままだと「サム死ね」になっちゃうので、日々の日記みたいなのは控えようと思うのですが、どーしても日常面白い話があるとまわりの人たちに報告したくなる癖が自分にはあるようで、ある日、吉松(孝博)さんからは、
「……板垣君は『赤毛のアン』の男版みたいな人ですね〜」
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と言われた事があります。
そもそも、最近自覚してきた事なのですが、俺、物心ついた頃から“日常生活のある一時を忘れ去ってまで夢中になってのめり込んだ「作り話」”がほとんどなかったんですよ、本当に……。皆さん、ありますよね? 次の号、次の巻が気になるマンガや、続きが見たくてしょうがないTVアニメやドラマ、映画とか……。自分はそーゆー体験がほぼなくて、マンガ読んでる最中隣の友人がそのマンガのオチを言ってしまっても、確実にこう返すでしょう。
……怒った事はないです。俺がマンガや小説を読んだり、アニメや映画を観たりする時いちばん興味を持ってるのはその話のオチ程度の事ではなく、
“たかが「作り話」をどう描いて(書いて)俺(お客)を楽しませてくれるのか?”
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――なんです。たぶん小学生の頃からそうだったと思います。その事をまわりの人に白状すると、
とかいう当たり前の反応でウンザリしますが、違うんですね。俺に言わせると、
「作り話」はいくらのめり込んでも所詮は作った話……。現実の家族や友人が考えてる事、実社会で起こってる事の方が遙かに面白い!
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って事なんですよ。――まぁコレ、「事実は小説よりも奇なり」……とか言うんですか……?(間違ってたら……恥ずかしい、適当です)
どうやら、自分にとってマンガも小説もアニメも映画も“ドラマを味わう”ものではなく、“作り手の芸を楽しむエンターテイメント”……なんでしょうね。
子供の時などは、つのだじろう先生の「恐怖新聞」というマンガを姉と読んでて、主人公(鬼形礼)の表情やら、亡霊などがやたらコピーの切り貼りが使われてる事を発見して、
伸「ねえねえ、姉ちゃん。このコマとこのコマとこのコマ、全ぶ同じ絵だよ。怖いねー」
めぐみ「アホかお前。普通に読め」
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――という事があったくらいです。
そんな自分が“ドラマを味わう”唯一の方法があります。それが、
……でして。シナリオ(脚本)っていう「作り話」が日常生活に入り込んでくる感じ……とでも言いますか、コンテを持ってる時の日々の生活の充実感はたまりません。毎日が冒険な感じです。監督とかやらせてもらっても、常に自分のコンテ担当話数を持ち続けたいのは、他の人たちが本や映画などでドラマを味わうのと同じように、自分もコンテでドラマを味わいたいからなんですよ。
ここんとこ、アクションものが続いたので、次は学園コメディとか少女マンガなんかのドラマを味わいたいので、誰かやらせていただけないでしょうか?(また営業かよ!)
――で話は飛びますが、昨日(3月17日)『天元突破グレンラガン』第6話のダビングでした。ダビングの調整時間、議題は主に「電人ザボーガー」(制作・ピープロ)。途中から、音響監督の、なかの様も参加されました。
板垣「やっぱ、『電人ザボーガー』でしょう」
今石監督「『ザボーガー』は最高だね」
板垣「だって、悪之宮博士はあれだけ尽くしてきたミスボーグに向かって第35話でいきなり『今まで失敗してきたのは全〜部お前のせいだ』って言って、ミスボーグを爆死させちゃうんですよ! ホント、ひどい!」
今石監督「ジャンボメカをのぼっていく大門とザボーガーはミニチュア!」
板垣「ジャンボメカはイラストでしょ!」
今石監督「そう、イラストなんだよ、ははははははは!」
板垣「敵の名前はことごとく秀逸! アパッチ・ドリルにギルコンフー……」
今石監督「ここ(胸と肩の間あたりを指し)にタイヤがついてる……ジャニンか……ジャニン!」
板垣「“忍者”さかさまにして“ジャニン”で、“ラガーズ兄弟”はまだしも、“ブラザズ兄弟”に至っては、子供をバカにするにもほどがある(笑)」
今石監督「俺はデスガンダーの出現はゾッとしたなぁ〜」
なかの様「……ブルガンダー?」
板垣「ブルガンダーは後ろが軽トラむき出しなんだ!(笑)」
なかの様「そうそう〜!(大笑) ……私もDVD-BOX持ってます」
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