皆さん、『バスカッシュ!』第1話観ていただけたでしょうか?
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凄まじい美術に、手描き顔負けのCG! もちろん作画も頑張ってくださいました! でもそのクオリティに一番ビックリしてるのは他でもない……
だったりしてます。何しろ自分はいつもどおりコンテきって、いつもどおり打ち合わせしただけであのクオリティで上がってきたんですから!
ま、確かにいつもの監督作品同様、一部のアクション・カットのレイアウト(ラフ原)チェックこそしたものの、ほとんどは演出家様、作監様、美術様、CG様、色彩設計様、撮影様……そして制作様のお手柄なんです。特に美術のロマン・トマ様、CGの原田(丈)様らは打ち合わせでも常に前のめりで
「これは下手なバスケです!」
「本来のバスケはこーじゃない!」
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などと、実際のバスケに詳しいお二方が美術・CGの枠を越えてアクションにさえアイデアやアドバイスをくださったのは本当に助かりました! バスケどころかスポーツそのものにウトイ俺が少〜しだけバスケに詳しくなったかも……。ロマン、原田両氏のお話はおいおい書くとして、今回と次回は第1話に関する自分のこだわりをいくつか――。
まずはやっぱり。
こいつでしょう!
このスパンキーというキャラ(生物?)は皆〜んなのアイデアから生まれたんです。まず最初は河森(正治)さんより、
「主人公の髪型はもうほとんどやりつくされてて、もう残された手段は“頭にアクセサリー”を付けるとかしかないんじゃない?」
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――て発想がもとで、決して生物の形態が先ではなかったんです。それで、アクセサリーの形が思い浮かばないまま、次に河森さんが
「動物が変形してアクセサリーになるといいんじゃない!?」
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とアイデアを追加したら、ロマンさんが本当にいろいろ絵を出してきたんです。それはかなり生々しいハ虫類系のデザインで(中にはまるでダンの頭にとりついたような笑えるのもありました)、
と俺が言って、吉松(孝博)さんのデザインが上がってきました。その時は
だったんですが、俺も河森さんも「せっかくのダンの髪型が帽子で隠れるのはもったいない」と言って、河森さんがその場でサササッと描いた落書きがたしか、
……な感じのどっか女っぽくなってしまいそうなデザイン案でした。さらにロマンさんもいろいろ出したあたりで、自分が
と言ってテキトーなラフをその場で描いたものをもとに吉松さんが正式にデザイン&清書したのが決定になったというわけです(スパンキーという名前はもちろん(佐藤)竜雄さんによるものでした)。
そして俺がこだわったのが声です。――最初から決めてました。
ダン役が女声だったら、スパンキーは男声。
ダン役が男声だったら、スパンキーは女声!
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――と。やっぱ、ダンとスパンキーの掛け合いが多くなるのはシナリオ的必然。それが男声同士だとムサクルしい(体も密着してるし……)。女声同士だと軽くてケンカにならないかなあ……と。それが理由でした。