そっか、思い出しました。先週は「特捜最前線」書いたんでしたね〜。
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もともとこの連載、アニメ様からは「基本アニメの話で、何回かに1回とかは実写の話もいいよ〜」と言われてたので甘えてみました(でも、基本俺はアニメ・実写の区別ってないんですが……)。
前回のように小・中学生で自分的“長坂「特捜」ブーム”を過ごした板垣でしたが、高校生になったある日、レンタルビデオ店(まったく行かなくなって10年近くになりますが、当時はよく通ってました)で、とある出崎(統)アニメに出逢いました。
がそれです。かなり前にも書きましたが、俺の“出崎アニメ追っかけ”はOVA『エースをねらえ!2』から。つまり、それ以前の作品はビデオレンタルで見つけたら借りる! 毎日だったわけで、その中の1本です、劇場『ゴルゴ13』は。だから、リアルタイム(劇場公開は1983年)ではなく、自分は1990年頃初めて観た事になります――そう、知ってる人からは「何を今さら……」な話でしょうが、
出崎作品である! から借りた劇場版『ゴルゴ13』が、じつは長坂脚本だったんです(嬉)!!
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オープニング・テロップの「脚本・長坂秀佳」の名前を見つけた時の興奮といったら!
と大喜び! しかも出崎・杉野作品でもある。――そんで観ました!
どこかの誰かが何をホザこうと、劇場『ゴルゴ13』は最高だってば! いつもどおりカッ飛んだ出崎美学に加えて、長坂「特捜」のにおいが確かにあったんです。もちろん、その時は長坂脚本があって出崎コンテで……云々なんてアニメの仕組み、なんとなくしか知らなかったんですが、アバン(オープニング前)のどっかの偉い人を暗殺するゴルゴから、エロいシーンでも微動だにしないゴルゴ、ビルひとつ挟んだ狙撃を見事成功させサッサとカーチェイスで逃げるゴルゴ……。本当、あれよあれよとドンドン転がって、実によくできた娯楽大作だと思いました(当時も今も!)。何気に好きなシーンは、ローラをひん剥いて、
とステンドグラス風のライトスタンドを持って迫るビッグ・スネークのシーンで、高校生だった自分は震えたモンです。
って。起・承……ときたら転! ドーソン・ビルでの激闘! まったく無言で殺し合うシーンにも痺れました。そしてラスト。ドーソンの自殺にかぶる息子・ロバートの遺言。このシーンの悲しさは「特捜」に通ずるものがありました。
あと、劇場『ゴルゴ13』を観た人、誰もが否定的にみる「話題のCGシーン」。今、一緒に仕事してる河森(正治)さんなども
「いや、劇場『ゴルゴ13』はあのCGさえなければよくできた映画だよ!!」
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と、『バスカッシュ!』のホン読みの際に言ってました。でも当時のコンピュータ技術を考えると
と言い返したいし、映画やアニメなんてあらゆる技術が未完成なまま使われるのは、今も昔も変わんないですよね! でもこのCGに関しては、パイオニアLDCより発売されたDVDのオーディオコメンタリーで、出崎監督と山本(又一郎)プロデューサーが言い訳してて面白いですよ(注:最近、東宝から発売されたDVDにはコメンタリーは入っていません! でも東宝版はパイオニア版には入ってなかった劇場用予告篇が初収録で……どっちも買いましたよ、俺、もちろん)。
で、話は脚本に戻りますが、この劇場『ゴルゴ13』は長坂さん本人によれば“演出でかなり「改変」された”(長坂秀佳著「長坂秀佳 術」辰巳出版)との事。でも、パイオニア版のDVDオーディオコメンタリーで、出崎さんは「ホン(脚本)がよかった!」とコメントしていたし、実際、公開当時発売された劇場『ゴルゴ13』のムック本(小学館)に収録されてるシナリオ決定稿を読んでみると
――痕跡があり、出崎さんが長坂脚本を「よかった!」と評したのは確かに本当なのでしょう。でも、たぶん実写メインで書いてこられた長坂さんにとって、「アニメにおいてはコンテが最終決定稿である」的脚本の扱われ方が合わなかったのではないでしょうか? 劇場『ゴルゴ13』以降、アニメやってないのは残念でなりません。
そんなわけで、
出崎作品でありつつも十分長坂作品としても楽しめる、劇場版『ゴルゴ13』!
俺は大好きです!!
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以上、“だからどーした?”的な話でしたね。すみません。
でも、ま、いつもの事か……。