ま、ふさぎ込んでばかりもいられないので、とある7月新番のオープニングをやらせていただいてる板垣です
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まだタイトルは明かさない方がよいと思うので伏せときますが、とにかくオープニングのコンテ・演出・原画(数カット)をやってます。と言ってもこのシリーズはちょっと特殊で、自分の担当するオープニングは数週しか使われないんです。
でも、それはそれでなんとなく、「大暴れして去って行く」感で楽しく作業中!
やっぱ、仕事で落ち込んだ時は仕事で取り返さないと――ってわけです
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で、7月4週目のOAに向けて一部自分で原画も描く日々。やっぱり、
数年前は仲間うちによく言ってました。
「俺、もともと演出がやりたくて業界入ったんだから、30(歳)になったらアニメーターは引退するから」
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――と。……残念ながら無理でした。30そこそこでスッパリ辞めるには面白過ぎたんです、原画って仕事は。そして、ただでさえ楽しい原画作業を倍に楽しくしてくれるのがアニメです。自分の場合、
コンテきる時 → 音楽を聴きながら
レイアウト・原画チェックの時 → 映画を観ながら
原画を描く時 → アニメ・特撮を観ながら
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が調子よいので、今回、
『侍ジャイアンツ』の前半DVD-BOX(中古)を買いました!
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荻窪の仕事場……ヤバイです。北口のBOOK○FFにすぐ寄って邦画・洋画・お笑い・アニメのDVDすぐ買っちゃう!(汗) 昨日、昼飯を買った帰り、BOOK○FFの前を通った時、急に『侍ジャイアンツ』が観たくなったんです。日曜日にTOKYO MXでやってる再放送をたまたま観てから仕事部屋へ向かったせいでしょうか。しかも、その荻窪のBOOK○FFには前から『侍〜』のBOXがあったのは知ってましたから。
で、買いました。
『侍ジャイアンツ』作品データ
1973(昭和48)年10月7日〜1974(昭和49)年9月15日
毎週日曜日19時半〜20時 よみうり系全国ネット 全48回(全46話+再放送2回)
演出/長浜忠夫 作画監督/大塚康生 制作/東京ムービー(現:トムス・エンタテインメント)
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これ、俺が生まれた頃の作品なんですね。データによると、第17話「怒涛の海の対決」を放映した次の日、自分が産まれたみたいです。いや、こんな事話題にしたところで、それがどーした状態でしょうが、俺はよくこーゆー楽しみ方をするんです。意外に自分のアルバムとかよりも自分の産まれた時代がよく分かるもんです、アニメも特撮も映画も。そして、自分が産まれた時にこれだけベラボウに巧い天才アニメーター大塚康生がいた! しかも、その天才からアニメのノウハウを教わる事ができた幸せな自分!
な、わけで『(旧)ルパン三世』から『侍ジャイアンツ』の頃の大塚さんの画が元気で一番好きなんです、俺的に。ルパンも番場蛮も大塚さんご本人のヤンチャな性格がよく出ていて、俺がテレコムにいた時、前のさし歯が1本抜けてるのもモノともせず(?)「ニカッ!」とイタズラっぽく笑った大塚さんとまったく同じ!(笑) 本当に憎めない笑顔で。
でしょう。これはもう数ある宮崎・高畑アニメの関連本や『ルパン』本とかで大塚さんが語ってたりするので今さらココで詳しく書く気はないし、“大発見!”でもなんでもありませんので、悪しからず。単純に言うと、自分がテレコム期に大塚さんから説明されたのは、
という事であり、全身のポーズも、
となります。これは自分が原画を描くようになってからますます分かってきたんですが、画を描く時大半の人が
――んです。パース線引っぱったり、動画用紙を裏返したり……。でも測って描いた超正確な画って、かえって不自然な感じを受けます。だから、計測で終わらせず、
って事を大塚さんは提唱してたんでしょう。しかし、その不定形の美学(?)をまるで呼吸するのと同じくらい自然に表現できた人って、結局大塚さんご本人しかいなかったんじゃないでしょうか?
で、時間切れ。