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COLUMN
板垣伸のいきあたりバッタリ! 第141回
楽しいカッティング(後編)

 ま、前回言ったように今作ってるのは『戦国BASARA』第13話。皆さんよくご存知なゲーム原作でアクションものと呼べるジャンルでしょう。本来なら、アクションもののカッティング(編集)なんだから画が揃ってるのがベストと思われがちですが、自分にとってはそーでもないという事は前々回(第139回)で書きましたよね。なので、今回はコンテ撮やラフ原撮でのカッティングのやり方。あくまでコレ、「板垣はこーやってます」なので、あんま参考にはならないので要注意です。
 まず最初に「自分はここに拘ってタイムシート打ってます」を編集さんに告げた(同じく第139回参照)後、棒ツナギ(編集前)のフィルムを一通り観ます。もちろん、色はナシ。そして、

 その棒ツナギ状態で定尺(TVのフォーマット)を何分(秒)オーバーしてるのか?

 を訊きます。その時の反応は以下のとおり。



 ……と、いろいろな想いを胸に秘め、切り始めます。台詞の尺を計りつつ。



 ここで重要なのは、とにかくリラックスして落ちついてフィルムを観る事。落ちついて落ちついて、一観客になるくらい、

「作り手側の主観」を排除するんです。つまり、観客目線で観て「ダレるカット」や「面白くないカット」は容赦なく欠番にし、キャラの感情の変化に観客がついて行けないと思ったら……



 と、尺を伸ばします。削っては伸ばし、伸ばしてはまた削る!



 まさに「一進一退」の攻防!!

 それがカッティング作業です。たとえ、そこに画がなかったとしても!

 以前、シリーズの監督をやった時(シリーズの監督の場合、各話演出の方がカッティングしてる後ろからチェックを入れるパターンが多いと思うんですが)、その演出さんがコンテ撮の画1枚の止めをコンテ尺まんまの2秒間を見つめて――



「ははは。これは切れない! このままでっ!」

 と言って笑うので、俺、間髪入れず止めに入りました。



 本当、楽しーですねカッティングは。



(09.10.22)

 
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