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COLUMN
板垣伸のいきあたりバッタリ! 第23回
冒頭いろいろ
〜『D.M.C』情報#03

 さ、今回は“どんな出崎監督について語ろう(書こう)か?”と思って考えていたマッドハウスでの週末、アニメ様がやってきて『ゴワッパー5 ゴーダム』のDVD-BOXを置いていってくださいました。これはタネあかしをすると、1〜2カ月ほど前、アニメ様から自分の携帯に、

 『アタックNo.1』と『サスケ』と『ゴーダム』……どれか観たいモノある?

 ――とメールがあり、1秒たりとも迷わず、

『ゴーダム』……

 と返信して成立した話です。
 ……で、凄〜くハマッてます、今! 仕事にならんですね、ハッキリ言って!
 (全話観終わったら、またイラストと文、描(書)きます)

 じゃ、仕切り直して、出崎さんの話を。……と思っていたら、今日(6月23日土曜日)は、友達と飲み会の日でした! しかも、毎度の事ながら企画したのは俺。
 ……てんで、場所はお馴染みの池袋。今回の出席者は自分も入れて計7名。急な招集のわりに集まり、いつもどおり楽しかったです。最近ますます思うんですが、こういう飲み会って自分にとってかなり重要なんですね。仕事に悩んでいる時、学生時代の友人たちと話すとホント、元気をもらえます。残念ながら、アニメ現役組とリタイア組に分かれたりしていますが、皆、15年前と変わらず“アニメ馬鹿話”がメイン。どいつもこいつも、昔ほど酒は飲まなくなっても、話す内容はアニメ、アニメ……(時々、特撮)。
 それだけに、仕事で落ち込んで目標を見失いそうになってる近頃の自分に、

 やっぱ、アニメは良い!

 と、最も単純な原点を思い出させてくれるのです。また、やりましょう、飲み会!!
 ……とか書いてたら、もうA4用紙1枚埋まってしまったので、話題を変えて例のヤツを……


連載コラム内短期連載! 板垣的・『Devil May Cry』情報 #03

 『Devil〜』第2話は、とにかく色々ありました。まず、シナリオが自分のテンポでコンテをきると、やや短くてストレートな内容だったので構成をイジってしまい“全ての黒幕はレディでした!”というコンテを提出しました。それに対して丸山(正雄)様は、

 「難しくて俺には面白さが分からない」

 ……と。そこで一考した第2稿は“バイクと兄弟愛! そして父親の陰謀!! ”の話に化けていました。そうしたら今度はこんな口論――。

 丸山様「考えすぎなんだよ。もっと単純にドラマを転がしてくれ〜」
 板垣「いや、これそんなに単純にしたら、2〜3分は尺足らずになります!」
 丸山様「じゃ最後に弟が“デビル メイ クライ”に来た後、モリソンが次の仕事を持ってくるシーンを足してもいい!」
 板垣「そんなの絶対イヤ! ラストシーンで2人の人物が入退場をくり返すなんて、ダサイですよ。足すのなら冒頭、“レディの初登場・悪魔退治”にしましょう!」
 丸山様「うん、それでいいよ」

 ――で、この間放送された完成型になりました。ダイナミックなバカアクションが欲しくて鉄橋をブッ壊したのは、コンテ時のアドリブです。自分はよくシナリオにないシーンをコンテ時足してしまいます。第1話で言うと、オペラ座の描きわり(絵)が落ちてくるシーン〜影絵までの件とか……(作品は違いますが『グレン』の第7話でも“ダイガンザンに乗っかったグレン”〜“チミルフが怒ってビンタする”までの間に、“カミナがドリルでダイガンザンにウンコのラクガキをする”シーンを描いたのですが、監督のコンテチェックでバッサリ切られました。クールだぜ、今石監督! あ、そう言えば『キャプ翼』の時、早苗ちゃんのシャワーシーンとかも杉井さんにバッサリでした……)。
 あと、この第2話の演出・川村(賢一)様とはこまかい仕事を何度か御一緒させていただいて、自分がテレコム辞めてすぐに原画を描いた『はじめの一歩』第27話でコンテ・演出をやってたのが川村様でした。その後、『獣兵衛』TVシリーズで、自分が第3話コンテ・演出と、第11話のコンテのみ終わらせた後、続けて原画で参加した第12話で演出をやられていたのも川村様。しかも、この時の作監・菊池(聡延)様も今回第2話で作監! 縁ですね!
 だから、俺みたいなどこの馬のホネとも分からないアニメーターが、今度は監督としてマッドハウスに呼ばれた時、“助監督として手伝ってもいい”と言ってくださった川村様には本当に感謝しています。もう一息、お付き合いください!
 そして、この第2話から正規のオープニングをつけました。今回のオープニングにおける自分のテーマのひとつは“ゲーム性”! つまり、“ダンテの日常”がテーマのシリーズ本編では描けなかった“魔界での激闘!”がそれです。新宿のCAPCOM東京支社に

 「原作ゲームの設定をそのまま使わせてください!」

 と足を運び話をつけてコンテをきりました。CAPCOMの小林様に感謝です。
 もうひとつのテーマは“歩く男の背中”。歩きの原画を描いてくださった江面様には

 「劇場『999』での友永ハーロックのように、1歩1歩重心をかけた歩き!
 1歩1秒半でお願いします」

 と打ち合わせしました。ダンテは歩くだけで充分カッコ良いと思い、rungran様のメインテーマを聴いた時、真っ先に思い浮かんだ絵が“背中を向けて歩くダンテの斜めアングル”だったんです。ちなみにメインテーマ曲の発注の際、自分が出したオーダーは、

 「熱く、男らしく、荒々しく……そして、なぜか“やんちゃ”な感じ。それでいて、男だけでなく女の人が聴いても“カッコイイ!”と思えて、インスト(ボーカルなし)でも、口ずさむ事ができるわかりやすいメロディーで! さらに全体を通して“緩急”&“抑揚”ください」

 ――でした。……いい曲に仕上げていただけましたよね〜(売れますように!)。
 ホント、いくら天才アニメーターが代表作に“『○○○○』のオープニング”とか挙げてエバッても、やっぱり、

 オープニング・エンディングアニメの
 手柄の半分以上は“曲・主題歌”!!

 ですよ。と言うか、逆に、

 どこまで“曲・主題歌”に手柄を譲れるか!?

 が良いオープニング・エンディングを作るポイントではないかと思います。杉井ギサブロー監督の『タッチ』などのオープニング・エンディングがことごとく秀逸なのは曲に対して絵が挑戦的でなく、むしろ――

 “曲・主題歌”を聴かせる絵づくり!

 を心がけているからではないでしょうか?
 ……自分は、そこまで上手くできないかもしれませんが、自分のオープニング・エンディングアニメの目標は杉井ギサブロー様です!

 と言うわけで、

『Devil May Cry』#03 Not Love
(脚本/森橋ビンゴ コンテ/板垣伸 演出/中山堅 作画監督/浦和文子)

6月28日(木)23:00〜 WOWOW スクランブル枠にて放送!


……今回はラブ・ストーリーです。

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(07.06.28)

 
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