監督とかをやらせていただけるようになると、1日12時間以上作画机に向かう毎日から放たれて(半ば強制的に……)、毎週立ち会わなければイベントがいくつかあり、その中でも自分たちの作った絵に魂が吹き込まれるアフレコが、自分にとって一番刺激的です。
今回の『Devil May Cry』は役者さんがとにかく“豪華”でした。
ダンテ…………森川智之
トリッシュ……田中敦子
レディ…………折笠富美子
パティ…………福圓美里
モリソン………大塚明夫
(敬称略)
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――その他、各話限りのゲストキャラも、
ゆかな(#1)、関智一(#2)、朴■美(#6)、うえだゆうじ(#7)、飯塚昭三(#7)、三木眞一郎(#10)、小西克幸(#11)、久川綾(#1、11、12)他……(敬称略)
※■は王へんに路
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と、またまた豪華!
そして――
皆さん、『華星夜曲』という出崎統監督によるOVAを御存知でしょうか? 平田真貴子原作のレディース・コミックのアニメ化で全4巻(ビデオ、LD止まりで、DVD化されていないため、今現在は入手困難かも……)。
前作『BLACK CAT』の時、キャスティングの希望を聞かれるたび、キャラクターの男女問わず、
と、事あるごとに候補に挙げてて、結局実現しなかったので、今回こそは……と、また頻繁に名前を出していました。すると三間さんから聞かれたのです。
「何でそこまで、野沢さんなの? 宗方? コブラ?」
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……それは『華星夜曲』なんですよ、三間さん。『華星〜』での野沢那智さん演じる主人公・鷹が、もう激烈にカッコよかったわけです。もちろん、宗方やコブラも好きですが、この鷹は別格(自分の中では)。そりゃあ、もちろん杉野(昭夫)さんのキャラデザもよかったのだけれど……なんて言うか、那智さんの声で“本物の男”度が増したというか。ほぼ間違いなく、作画が先にあった(まさかプレスコはないでしょう)ハズなのに作画以上の存在感で、キャラクターを造り上げてるように感じました。
それ以来、野沢那智さんは自分にとって憧れの役者さんだったんです!
そして、野沢那智さん演じるシドはやっぱり、凄かったです。予想もしてなかった芝居の連続! そりゃあ、多少口パクが合ってなくても、
「OKです! ……作画の方を合わして直します!!」
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て言いますよ。その他、那智さんには、
『悟空の大冒険』の時からの丸山さんとのお付き合い話
「ダイ・ハード4.0」の日本語吹き替え収録1週間にわたる苦労話
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などを、自分のためだけにあのカッコいい声で気さくに喋ってくださいました(感激!)。そうです! 『Devil May Cry』は役者さんの演技も間違いなく見どころですよ!(森川さんや福圓さん、大塚さんの役者話は後日改めて書(描)きたいと思っています)
連載コラム内短期連載! 板垣的・『Devil May Cry』情報 #07
第6話はOVA『炎の蜃気楼』の監督、室井ふみえ様のコンテ・演出でした。故にこれは最初から安心していた話数です。なにせ、室井さんは丁寧な仕事には定評のある方だし、その技は第1話の時の原画でも見せてもらってたため、自分は仕上がりを楽しみに待つ総監督的立ち位置でした。俺の場合、いつも、コンテ・演出で参加していただける人には、あまり口出しはしません。特に今回のシリーズは基本1話完結ものなので、演出さんたちに、“それぞれ自分の監督作品”を作ってもらうつもりでお任せしたのです。
よって、この6話についても、俺よりも室井さんの個性の方が強く出ていたと思います。
あと、作画。よかったですよね〜。作画の山本善哉さんの絵、本当にカッコよかったです。さらに撮影もレアトリック太田様、神田様が頑張ってくれて、見応えのある処理が続出でした。そして、今週は稲垣“砂ぼうず”隆行氏のコンテ・演出作!
『Devil May Cry』#07 Wishes Come True
(脚本/井上敏樹 コンテ・演出/稲垣隆行 作画監督/滝沢潤 作監補佐/日向正樹)
7月26日(木)23:00〜 WOWOWスクランブル枠にて放送!
今回は……不思議な悪魔が出ます。