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COLUMN
板垣伸のいきあたりバッタリ! 第29回
黒猫制作話(1)
〜『D.M.C』情報#09

 ついに『BLACK CAT』全巻購入特典DVD用のサムシング吉松監督作品『BLACK CAT?』が完成しました。今回、俺は脚本もコンテも見ておらず一視聴者のつもりだったので、ラッシュを見た時(初めて見たのはアフレコ時)は予想をはるかに越える豪華な仕上がりに驚きました。3分半ながらちゃんとお話があって(?)、キャラも可愛くて(?……一部シュールなところもあり)、作画も筆ペンで背景も色彩鮮やかで……とても見応えのある作品ですよ、矢吹先生!
 しかしながら、この特典DVDのV編は感慨深くもありました。それは、

 『BLACK CAT』――全て終わった!

 てのももちろんなんですが、吉松アニメと同時に続々と収録された秘蔵映像集(新番組告知、DVDリリースのCM、TBSアニメフェスタ用本編ダイジェストPV等)など見ていたら、

 楽しかった『BLACK CAT』制作現場

 ――が走馬灯だったからです。
 “また、てめェの作品の話かよ!”ってツッコミが入るのを覚悟で書(描)きたくなりました。黒猫の制作話!(それこそ、他人の制作現場話なんて書(描)けねぇ!?)


板垣的・黒猫制作話(1)

 そもそも、『BLACK CAT』の監督の話は同じGONZO制作の『砂ぼうず』副監督をやってる時でした。……たしか、その年の10月に『砂ぼ』が放映スタートした直後、11月頃の話だったと思います。『砂ぼ』のアシスタント・プロデューサーだった篠崎真哉氏より――



 と言われました。『砂ぼうず』……たしかにその時点でかなり好き勝手やらせてもらってたのですが、やっぱり稲っちとの意見のくい違いも当然あったわけで。今度はもっと好き勝手できるかも……! と思った俺。そりゃあ、返答はこうでした。


(当時、新宿のゴンゾ。キレイなトイレにて……)

 と言っても、この時はまだ別の企画でした。その企画はオリジナルで、ちょっと暗い話だったのです。



 そこで自分は、“あーしたい、こーしたい!”とその企画を明るい世界に変えようと提案したところ、企画者様の反感を買ったらしく、数日後、やる前に無事降ろされて、板垣の目の前に積まれたのが『BLACK CAT』第1巻〜第19巻(当時)でした。



 でもその矢吹健太朗先生の『BLACK CAT』は実に少年マンガらしい少年マンガで、何より主人公・トレインをはじめキャラクターたちが本当に気持ちよく笑ってて、

 「これは自分の描きたいキャラクターに近いかも!」

 と思い、すぐに頭がキリ変わって、暗い企画はどこかへ行ってしまったのです。
(……たぶん、つづく)


連載コラム内短期連載! 板垣的・『Devil May Cry』情報 #09



 第8話のコンテは現在マッドハウスに籍を置き、『TEXHNOLYZE』の助監督などをなさった鶴岡耕次郎様でした。鶴岡様とは今回初めてお仕事したのですが、『まほろまてぃっく 〜もっと美しいもの〜』ではお互い一演出として参加していたので、コンテ打ちの時などは『まほろ』の話で盛り上がるかと思いきや、一番盛り上がったのは「直撃! 地獄拳」や「けんか空手極真拳」「仁義なき戦い」や「県警対組織暴力」……はたまた超カルトな名作「幻の湖」など、とんだ馬鹿映画の話でした。天下のスタジオ・ジブリ出身の演出さんの口から、次々と語られる面白馬鹿映画話……。それ以来、マッドの廊下ですれ違う度こんな感じです。



『Devil May Cry』#09 Death Poker
(脚本/井上敏樹 コンテ・演出/川村賢一 作画/DR MOVIE)

8月9日(木)23:00〜 WOWOWスクランブル枠にて放映!


 ――今回はある種、密室劇ですか……。

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(07.08.09)

 
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