NANDESUKAN2007――板垣にとってこーゆーイベントに参加するのは初めてで、とても楽しくて刺激的でした。ホテルを借り切ってコスプレしたアニメファンたちでいっぱいになる3日間のイベント。日本のコミケなどもそうですが、アニメやマンガが本当に好きな人たちに会えるお祭りって俺、結構好きです(ただ“人混み”は苦手なので、めったに行けないのですが……)。日本のアニメ業界人代表を気どる気はないけど、自分たちの作ったアニメを見て喜んでくれる人たちに会えて嬉しくなれない作り手ってどーかと思うじゃないですか。やっぱり俺は嬉しいですよ。たとえそれが――
多少体重のあるダンテでも……。
で、まあ、このイベントで日本人ゲストとして招待された板垣と阿部様はただ遊んでいればよいわけもなく、サイン会とパネル・ディスカッションという大仕事がありました。
『ちょびっツ』とか『GUNSLINGER GIRL』とか持ちキャラ(?)のある阿部様のイラスト&サインならファンの皆様にも喜ばれるでしょうが(あ、でも『ちょびっツ』は最終回で少し原画描いたか……)、俺みたいな中途半端なアニメーター兼監督が描くイラストには何の価値もなく、だからといって「板垣 伸」って名前書くだけではいくら書道5段(本当)でもあまりにも殺風景で……。そもそも、日本ですら自分のファンなんていると思ってないヤツなもので、ましてやアメリカにまで来てどのツラさげてサインをしたものか!
普段からそー思ってる俺は、隣で可愛いコスプレ女の子たちにキャアキャア言われて『CCさくら』や『ちょびっツ』や『D』や『Devil〜』を描いて喜ばれている阿部様に対して、俺の前に立ってる人が――
ややメタボなダンテでも、とても嬉しかったのです。
よーするに、ファンの方々と楽しくお話すればいいんです。
これは、サイン会よりずっと自分に向いてるイベントでした。ホテルの一室でファンの方々10〜30人くらいと楽しく歓談。『Devil〜』についていろいろ聞かれるのかと思いきや、
- 現在の日本のアニメについて。
- 「こーゆーイベントやコスプレに対して偏見はありますか?」
- (俺が)アニメ業界に入ったきっかけ。
- わりと多かった『BLACK CAT』についての質問。
――などなど
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現在の日本のアニメについては、通訳を介してのわりに深い話に突っ込めて、とてもためになりました。意外だったのは俺がアメリカのアニメの話を振ってみると、
って言う人が多かった事。「日本のアニメの方が中身があると思う」とか言う人もいたりして、「じゃ、中身のあるアニメってどんなか?」などと俺のしゃべりも白熱してしまい、難しい日本語が続き、通訳のディヴィットの困惑顔は、こう――。
「こーゆーイベントやコスプレに対して偏見」はありません。前半でも書(描)いたとおりです。偏見だなんてとんでもない。アニメの楽しみ方は人それぞれ自由ですよ。
俺が業界に入ったきっかけはこのコラムを第1回から読んでください。
『BLACK CAT』は海外でも大人気ですよ、矢吹先生っ!
ほんとに楽しいひとときでした。そしてやっぱりいました……。
(NDK2007(4)へつづく!)