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COLUMN
板垣伸のいきあたりバッタリ! 第52回
各話演出のお話(1)

 只今、『ロザリオとバンパイア』という作品――第10話のコンテ・演出をやっていて大忙しな板垣です。まあもちろん、コンテの方は去年の11月とかには上がって監督チェックも無事素通りしました。稲っち(稲垣隆行監督)とはそこそこ長い付き合いなので、俺がどんなコンテをきる(描く)かは知ってるわけで……しかも今回はガイナックスのグロス班という事も重なっていわゆる“アクション話数”を振ってもらっての各話演出。作監は『グレン〜』以来ガイナックスに席がある平田雄三様。『グレン〜』の時は同じ話数で仕事する事はなかったのですが、今回はギャルものなので「是非に!」とお願いしてやっていただける事になりました(ありがたや……)。
 そして、2月からはまた別のシリーズ(まだタイトルは明かせません……)の演出処理に入ります。もちろん、こちらのコンテも今年の正月明けに提出ずみで『ロザリオ〜』と同じくガイナックスのグロス話数。次の自分の監督作と微妙に同時進行になってしまいますが、やはり自分が監督じゃない作品はなるべくコンテのみでなく処理(演出)までやりたいんですよね、スケジュールの許す限り(あ、今回はあまり許されてないかも……?)。
 というわけで、今現在山のように積まれた原画を見てると急に語り(書き)たくなりました。

 各話演出の話!

 世間一般、作品の手柄は監督やキャラデ・総作監がものにするような仕組みになってますが、本来……特にシリーズの場合、各話のコンテや演出がよくなければ作品は面白くなりません(断言)! さらに“コンテ・演出”と抱き合わせで受ける場合、コンテによほどの監督チェックが入らない限り、その話数のほぼ監督と言ってもほぼ過言ではないのです。そのくらい重要職です。大概の“監督”と呼ばれる人たちの第一歩がこの各話演出だったハズだし、俺もそうでした。

 そこで!

 前に“原画編”もやった事だし、

 「また、自分のやった作品の話かよお〜」

 と言われるのもものともせず描きますよ、また!

板垣的・思い出の演出作品

 最初はやはり初演出――

 ・『グラップラー 刃牙』2001年
 監督は難波日登志様。キャラデは東出太様で制作はグループ・タック。自分は当時、アゼータ・ピクチャーズというスタジオでグロス班の演出で第22話を担当しました。たしか同時に『はじめの一歩』の原画もやってて、ヤケに格闘づいてた記憶が……。そして、演出助手経験もなかったため、コンテ撮や原撮の際、何をどのように押さえたらよいかも分からず、タックの編集・古川雅士様に激しく叱られた記憶もありますが、そのせいもあってか凄く勉強になった記憶もある1本です。難波監督の話は以前書(描)いたので次!

 ・『グラップラー 刃牙 ―最大トーナメント編―』2001年
 監督は谷田部勝義様、キャラデは伊藤尚往様に変更しての新シリーズ。なぜメインスタッフが変更になったのかは大人の事情ですね、きっと。俺は同じくアゼータで第4話・第10話・第16話のコンテ・演出を担当。本当に面白かったです! 何せ“初コンテ”でしたから……!!

 平井さん(当時は制作)「コンテ、やってみるかい?」
 板垣「やる!」

 ――な感じ。俺、何の根拠もなく“できる!”“やる!”と光の速さで即答するの得意です。今現在までほとんどそれでやってきました。
 まず、第4話。これたしか、“本編尺20分+α秒で4試合を描ききる”というただでさえ余裕のない中、“勇次郎のデコピン”シーン(原作にある)を入れてくれ! とのプロデューサー様からの要望で大変な事になった話だったと思います。でもそのせいもあってか、いろんな人から突っ込まれる“板垣のフィルムはテンポが速い!”のルーツ(?)を見る事ができる話数かも……(本放送以来、一度も見返してない作品なので不確かですが)。
 次、第10話。暴走族格闘家(?)の千春がボクサーと対決する話でしたっけ? これに関する思い出は暴走族たちのファッションについて、名古屋にいる元暴走族の友人に電話して聞いたり、原画の大半をテレコム時代の先輩・大木賢一様に描いていただけて非常に幸せだった事ですかねー。
 んで、16話は、原作を少々イジって、ジャック・ハンマーを育てあげた博士のレポート形式に全体をまとめた話で、結構調子こいてました、この時の俺。“大出血シーン”をハデにやりすぎて、タックのK人プロデューサーが青い顔して俺を叱ったのも今となってはいい思い出です(正直、納品できるギリギリのラインだったみたい……)。

 ・『キャプテン翼』2001年
 これはあこがれの杉……



 ――すみません、仕事に戻ります……。



(08.01.24)

 
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