・『十兵衛ちゃん2 ―シベリア柳生の逆襲―』(2004年)
前回のような感じで参加したのが『十兵衛ちゃん2 ―シベリア柳生の逆襲―』第7話「斬られて落ちて消えていた」――というわけです。
この頃の板垣はマッドハウスとガイナックスを行ったり来たり……。ガイナックスの方では『この醜くも美しい世界』をやってたし家も近かったため、『十兵衛2』の後半はガイナックスでチェックしていたんじゃないかな? でもまあとりあえず最初、“ホン読み”から。
“ホン読み”=“本読み”。実写でいう本読みは役者同士が台本を読み合わせる事ですが、アニメで普段自分たちが口にする“本読み”とは“脚本の打ち合わせ”の事です。そして本来は各話演出が参加するものではなく、監督とライターさん、あとTV局の方やその他クライアントの方々のみ。そこでライターさんたちが上げてきたシナリオ(脚本)を皆してあーだこーだと叩く……というわけです。
ところが『十兵衛2』は全話大地監督自身のシナリオ(脚本)。文句つけようにも……ねえ? なので、『十兵衛2』の本読みはちょっと変わってて――。
大地監督が毎週〜隔週ペースで上げてくるシナリオ(脚本)をチーフ・ディレクターの長濱(博史)様と各話演出、制作、プロデューサーの方々たち皆で読んで大笑いする――でした。
本読みの大半は大地さんの話で一同大笑いなんですが、俺が感動したのは
って事でした。何か“自分の書いたシナリオ面白い?”って皆に聞いてる様子がうかがえたのです。主にチーフ・ディレクターの長濱さんが大地さんのシナリオに突っ込む役で、
とか言うと
って大地さんが改稿する、のくり返し。一見すると立場が逆に思えたりしますが、まわりの意見を採り入れる大地さんの監督スタイルはこの時凄く素敵に見えて、のちに自分が監督やるようになった際、大いに参考にさせていただきました。
そして、第7話のシナリオが決定稿になって、次は“コンテ打ち”!
――で話はまた飛びますが、そーいえば本日(3月6日・木)はこの間まで作ってた『ロザリオとバンパイア』第10話の放送(東京・千葉・神奈川)です。ガイナックスのグロス回で、新人から巨匠までひっかき集めて楽しく頑張り、動画枚数は4000枚! でもアクションです。見れたら見てみてください、では。