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COLUMN
板垣伸のいきあたりバッタリ! 第75回
板垣的アニメ雑記(8)
小田部先生の授業(その2)
〜テレコムへ

 (前回からの続き)本当に毎週土曜日の小田部先生の授業は楽しかったわけです。最後の課題“ブタさんの飛行機”(文字どおり飛行機に乗ったブタが空中で一回転するレイアウト→原画→動画までの課題で、当時先生は「宮さん(宮崎駿様)の『紅の豚』よりも前に作った課題だからパクリじゃない!」とどーでもよい注釈をしゃべってました)を提出した時、先生は

 「うん。よいよい。キレイに動いてる!」

 てホメてくださったのですが、自分は

 「これで終わりかあ……」

 と、ちょっと残念で感慨でした。その最後の課題を返却された際、採点の“5重○(ごじゅうまる)”の横に

 “期待してます。頑張って!”

 なる内容のコメント――今も大事に持ってます。
 時期的にいわゆる就職活動の頃。小田部先生の影響もあって演出家志望だったハズが考えは以下のとおり変わってました。

 「とりあえず演出家は後にして“いいアニメーター”になるか。
 親も心配するし、とりあえず固定給のアニメ会社で!」

 と“名作もので有名な会社”とテレコムを受けたら、両方とも合格通知が送られてきました。それ持って先生のとこへ行くと、

 「板垣君なら……大塚(康生)さんトコ(……つまりテレコム・アニメーションフィルム)がよい。富沢君や友永君もいるし!」

 て言われて、テレコムを選んだわけです。ちなみに当時はガイナックスに興味まったくなし! で受けもしませんでした。ガイナックスがよいなあーと思うには今石(洋之)さんの出現を待つしかなかった……? 大体そん時テレコムでも大塚様しか知っておらず、自分と同じ友永(和秀)さんの弟子(?)にあたる青山浩行様に「友永さん? 誰?」と聞いたらそーとー呆れられたくらいアニメーターにウトかったし……俺。たぶん、小田部先生の“期待してます”に応えようと思ったのが、テレコム行った半分以上の理由だったんじゃないでしょうか、今思うと。何か“期待”って言葉に弱いんです。

 と何週かにわたって小田部羊一先生の話を書いたついでに、このまま流れで次の先生――大塚康生様話を! と思ったらまた時間切れ。すみません流れグダグダで……。



 「しかも今回は絵がない!!」



 「……と思ったらコレ絵か」



(08.07.10)

 
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