８月24日の日曜日、新宿ロフトプラスワンでガイナックスの『グレパラ』絡みのイベントに呼んでいただいたので歌舞伎町方面へ向かって歩いて迷子になった板垣です。ロフトプラスワンは毎回迷子になって辿り着くのが俺の通例。何回行っても迷うのは、きっと道を憶える気がないんだと思います。ロフトプラスワンが悪いのではありません。悪いのは俺。周りの人から
と力いっぱい馬鹿にされるのはいつもの事。中には下手な“ウケ狙い”だと思う方もいます。でも、こんな笑えないウケ狙いを繰り返すようでは演出家なんてやってられません。断じて本気で迷うんです、毎回！ そんで今回は雨の中ガイナックスの真鍋様に迎えに来ていただきゴメンナサイ！――でした。
自分はガキの頃から自他共に認める方向音痴。ホント友達の待ち合わせに間に合わなかった事は数知れず、いまだに録音スタジオ、Ｖ編会場、打ち上げパーティ会場……地図がないと必ず迷子になります。いや、地図があってもダメん時はダメ！
って人は口々に言います。でも俺から言わせると
で、話を戻してガイナックスのイベント。いや、大盛況でしたね！ つくづく『グレンラガン』て作品の凄さを感じました。それと同時にやっぱり自分には向いてませんね、こーゆーイベントは……。いや、イベント自体は作品を盛り上げるものなので全然賛成なんですが、自分が出てしゃべるのが苦手なんですよ。そもそも俺、アニメ業界入って７年近くもの間、社員アニメーターで仕事内容が海外との合作がメインだったため、27歳でフリーになるまでに“所詮アニメなどで注目されたり有名になれたりなどするわけがない”とスリ込まれてしまいました。だって、合作って国内のアニメファンからはほとんど注目されず、もちろん反響も皆目。実家の両親や友人からは「今何やってるの？」と聞かれてタイトルを言ってもどーせ見てもらえません。その“拗ね”が今でもハッキリ残ってるんです、まるで入れ墨のように。雑誌などのインタビュー取材は受けるんですが写真はイヤがったり（『砂ぼ』３巻のライナーインタビューは写真を撮られるなんて知らずに受けてしまっただけです）、オーディオ・コメンタリーはギリギリ頑張るけど映像インタビューは絶対断るし（海外用のＤＶＤで１回出てしまいましたが、基本的にＮＧ）、イベント舞台もできるだけ断ってる（『黒猫』イベントも最初しか出てません）のはその根深く刻み込まれた“拗ね”の成せる技なんでしょう。全ては、
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「俺のツラなんて見てないで、綺麗な役者さんを見る方がイイでしょ」
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と思ってるわけです、板垣は。
でも、今回のイベントは初めて公の場で今石さんとお話できて楽しかったです（ガイナックス社内ではよくしゃべるんですが）。もちろん、小島（大和）さんや飯田兄（SUEZEN）さんとも！
板垣のしょーもない話を聞いてくださった『グレン』ファンの皆さん、スミマセンでした。思い返すと確かに今石作品に参加する俺――
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『アベノ』＃３（放尿）、『DEAD LEAVES』（チンコドリルの死）、『Re:ハニー』（ポコイダー＆タマイダー）
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チ○コばっかりでした……。
追記：だいぶ前のアニメスタイルイベント後、板垣の目前に現れて、
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「サインお願いできませんか？」
「同人誌や原画集、コミケで出したりはしないんですか？」
「こーゆーイベントでしかお会いできないんですか？」
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と言ってくださった方。サイン断ってしまってすみませんでした。もし今回のコラムを読んでいただいていたら、板垣の性格が少し分かってくださったのではないでしょうか？ 決してお高くとまってるんではなく
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アニメーターとしての代表作（キャラデや作監とか）もろくにないのに画なんて描けない。
画も描かれていないアニメーターのサインなんて価値ない。
監督としてもまだまだ世間の認知度が低い自分が名前を書くだけなんて色紙がもったいない。
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と思ってるだけです。そーは言っても煽てられたあげくサインをした事もあるし、海外のアニメコンベでサイン会とかもやりました（これはチャリティーだったので）が書いた後はいつも、
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「まだサインして喜ばれる身分でもないのに、俺なんて〜」
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って結構本気で落ち込み……そして落ち込んだ次は
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「今したサインが数年後、本当の価値が出るように頑張るしかねーか！」
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と前向きに考えて立ち直る……の繰り返しです。
こんな板垣に５年後まだ注目してくださってたら、必ず画付きのサインをさせていただきます。
ちなみに自分は友人の同人誌に寄稿したりはしますが、自ら同人誌や原画集を作ったりはしていません。理由はサインの件と同じ……俺のなんて値打ちないと思うからです。人混みが苦手なんでコミケもメッタに行かないですね〜。
