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アニメの作画を語ろう
シナリオえーだば創作術――だれでもできる脚本家[首藤剛志]

第215回 小田原の脚本展

 今回、文章が少量で申し訳ありません。
 僕の『ポケモン』映画は、第3弾の『結晶塔の帝王』で終わり、後には1時間半のTV長編スペシャル『ミュウツー我ハココ二在リ』――放映局によっては30分の3部作――がある。『結晶塔の帝王』の第1稿を書きあげてすぐ入院。退院後しばらくして、映画とシリーズ構成(コンストラクション)を降ろさせていただいた。
 この辺の話は色々あるのだが、基本的に僕の体調の悪さと一種の身勝手で、別に制作サイドと喧嘩したわけではない。
 この時はむしろ制作サイドには大変親切に対処していただいて、とても感謝している。
 もうすでに10年前のことで詳しく書きたいが、現在も放送中の番組でもあり、僕の主観だけで書いては正確さに欠け、現スタッフに御迷惑をかけるかもしれないので、当時のことを色々調べた上にしたい。申し訳ないが、もうしばらく時間をいただきたい。
 自分でも精神的にかなり疲れていた状況で、いささか常軌を逸したかに思える行動をしていた気がするので、家族にもその頃の僕の状態を聞きたいと思っている。
 なにしろその後、僕自身はそのつもりではなかったが、警察には自殺未遂と記録される事件まで起こしている。
 気がついたら、テトラポットのいっぱいある危ない海岸に浮かんでおり……次の記憶は、病院の中で目を覚ましていたのである。
 頭の傷を数針縫われていて、その時の記憶はまるでない。
 その時の状況を語るのは、かなり気が滅入るが正確に書いておきたいと思う。
 これもしばらく時間をいただきたい。

 で、違う話なのだが、桜の名所小田原城付近の小田原文学館で、3月19日から4月18日まで、僕のシナリオを中心とした資料展を開いていただくことになった。
 桜の季節、様々なイベントが企画されていて、あくまでも桜見物のついでに、お誘い合わせで立ち寄っていただければ幸いだ。
 こんな作品の脚本書いていたの? と意外に思われるシナリオもあると思う。
 パソコンで書いた原稿をコピーしただけのアニメ脚本が多い現在、珍しいかもしれない。
 興味があっておひまがあれば、寄って見てください。

   つづく


●昨日の私(近況報告というより誰でもできる脚本家)

 以前は、他人事のように書いていた脚本著作権問題のことだが、自分に振りかかってくるとは思わなかった。
 本当に面倒くさい。
 勘弁してほしい。
 ちょっと、脚本家連盟がつっつくと、某魔女っ子ミュージカル公式ホームページとやらが、ころころと変わる。
 脚本家のコメントもニュアンスが変わっている。
 その会社のホームページの作品全部が原案・原作の表示がいつのまにか消えているし、脚本家の名前もでていない。
 出ているのは構成の名前だけ……構成には権利がないとされているからだが、別の契約の仕方もある。
 初代と2代目の『魔法のプリンセス ミンキーモモ』の脚本家は誰も買い取り契約をしていない。
 これ以上書くと、ミュージカルが旧作とどう違うか見てやろうという物好きな人も出てくるから、もうこの話はやめておく。
 しかし、脚本家表示のない日本映画や、監督の名が脚本になっている映画が問題になっているときに、本当によくやると思う。
 ミュージカルをやる予算があるのなら、とりあえず1年前に出したBlu-ray版の初代『ミンキーモモ』の著作権料ぐらい出してからにしてください。

   つづく
 


■第216回へ続く

(10.03.10)

 
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