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アニメの作画を語ろう
シナリオえーだば創作術――だれでもできる脚本家[首藤剛志]

第220回 僕が今、必見だと思う番組

 申し訳ない。
 まだ体調が、コラムを書ける状態まで回復していない。
 休載が続いているけれども、今しばらく、お待ちいただければ幸せだ。
 ただ、アニメ脚本を書く上で、参考になりそうなTV番組が今放送中なので、急ぎ御報告しておこうと思い、これを書いている。
 アニメではない。
 アメリカのハーバード大学の人気講義をとりあげた番組だ。
 NHK教育テレビで日曜の午後6時からの放映だけれども、深夜に再放送もしているらしい。
 現在は第4回まで放映ずみだけど、途中から見ても支障はないと思う。
 内容は哲学の講義……とはいっても、極めて分かりやすい。
 ここで、その内容(つまりテーマ)についてとやかくいうつもりはない。
 参考になるのは、講義のやり方だ。
 ひとつの問題をとりあげて、それについて聴衆を巻き込み、共通の問題として、様々な角度から考えてみる。
 とても優れた講義だと僕は思う。
 ハーバード大学の哲学の講義の聴衆をアニメを見ている人たちに見立てれば、この講義のやり方は、アニメの脚本を書くうえで、とても参考になると思う。
 つまり、自分の書くアニメに何かテーマがあるとしたら、それをどういう方法で視聴者に伝えるか(考えてもらうか)、その表現の仕方(のひとつ)を、脚本を書こうとする僕たちに提示してくれている。
 これは、アニメ、ドラマ、映画、などの映像作品をたくさん見ても、なかなか気がつかないテーマの表現方法だ。
 仮にあなたが、アニメの脚本で何かのテーマを、アニメを見る人に感じてもらおうとしようとするなら、こうした表現方法を知っておくのも大切なことだと思う。
 僕は、どんな作品であってもテーマが大事という、いわゆるテーマ主義の脚本を書くライターではないので、アニメで何かのテーマを語りたいという考えに賛同はしないけれど、否定もしない。
 だから、ひとつのテーマを取り上げて様々な角度から考えてみる(感じてみる)このハーバード大学の人気講義は、とても興味深く、面白く、参考になる。
 僕のコラムを辛抱強く読んでいただいている方たちには、もうすでに、脚本を書けるレベルに達していると思う(なにしろ、「誰でもなれる脚本家」なのだ)。
 そんな方たちにとって必見の番組だと思う。
 番組の概要はこちら
 もちろん、世間からはくだらないと思われているものであっても、あなたの感性が刺激されるなら、意味はある。特に脚本を書くにあたっては。
 要は、それを、あなたがどう感じ、どうアニメ脚本に表現するかなのだから。
 とはいえ、この「ハーバード大学の白熱講議」は、感性を刺激してくれる、とても優れた番組だと思う。
 まずは、この番組を見てほしい。

   つづく
 


■第221回へ続く

(10.04.28)

 
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