色彩設計おぼえがき[辻田邦夫]

第15回 昔々……(10)まだまだ合作、そしていきなりの

初夏ですねえ。天気もまずまずだし、陽射しもさわやかで気持ちいいですね。なんて言っても空気がサラッとしてて、ちょっと汗かいてもサラサラッと乾いちゃってGOODです。

で、僕はこの季節、すでに半袖Tシャツもーど。このままさらに暑くなったら、もう着るものないですよ。……とか毎年思いつつも、来月になって梅雨になると、それなりに涼しかったり。まあ、その前に湿気で体調崩れちゃうんで要注意です。

そんな梅雨が来る前に、いっぱい外で遊びたいんですがね……(遠い目)。

さてさて。

絵の具の話はちょっと置きます。

合作作品で色指定をさせてもらえるようになった僕。まずは『ROBOTEX』というミニシリーズを持たされて、でもまあなんとか、という感じでこれは終わっていきました。計5本のうち、自分で色指定して上がりのチェックができたのは2本だったか、3本だったか……。今となっては、やはりそのお話のディテールさえ思い出せないのですが(苦笑)、こうして初の色指定作品となったのです。

その『ROBOTEX』の制作と相前後して、何本かの合作作品を各話色指定として担当しました。まずは『トランスフォーマー』。あのトラックとか電車とかが変形してロボットになるヤツです。あの作品、今でこそいかにも日本製な感じになってますが、これもアメリカとの合作だったのですよ。具体的に、どのシリーズのどの話をやったのか、これももう今となってはわかんなくなっちゃったのですが、それでも何本か担当しました。

「わかんなくなっちゃった……」というのも、とにかくいっぱい作ってたんですよ、毎年毎年。『トランスフォーマー』だけじゃなく『G.I.ジョー』や『マペットベイビーズ』とかのシリーズを、アメリカ本国での放映に合わせる形で毎年夏前くらいに制作スタートして、各シリーズ50本くらいずつ作ってたのです。

で、『トランスフォーマー』。いやあ、ロボットものですよ(苦笑)。ロボットものなんだけど、なんかやけに人間くさい、っていうか、まぁ、しゃっべて芝居してましたからね、ロボットが(笑)。これもお話忘れちゃってますが、なんとかキューブ、とかいうピンクだかムラサキだかの透過光で光る立方体を巡って派手にビーム撃ち合ってたと、そんな印象。

正直、作画はかなり甘かったので、動いてる画がなんとなくかっこよくなくって、僕としてはそれほど楽しくなかった記憶が……(苦笑)。って、そんな僕が去年は『ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU』でロボットものにはまっちゃうワケなんですが(笑)。

そうそう、『トランスフォーマー』といえば、このころ劇場用作品を作ってたんですよ、東映動画で。監督は森下孝三。たしか2時間くらいの大作だったと。こっちはもう作画がばっちりかっこよくて、影は2号影にBL影つき、もちろんハイライトもビシバシ入ってと、もうもの凄く密度濃かったです。

僕はこの劇場版では、仕上上がりの検査のお手伝いをさせてもらったんですが、いやあ、メチャメチャ大変だったのを覚えてます。でも、これ、キッチリできたらすげえだろうなあって、半ば他人事のように思いつつ、色パカのチェックに勤しんでたのでした。

後日、完成した映像を見せてもらったのですが(たしか、初号とかじゃなく、ビデオで見た記憶が……)、もうね、圧巻でしたね。正直、これも筋は忘れちゃったのですが(爆)、自分が関わったTVシリーズの『トランスフォーマー』とはまるで次元が違う濃密さにただただ圧倒された感じです。ああ、また見たくなったなあ。

『トランスフォーマー』の各話色指定の他にも、こまごまとした合作作品のCMだとか、そんな短い尺の仕事がやたらとあって、それらを次から次へと担当させてもらっていました。

こんな感じで、来る日も来る日も日本では見られない合作作品と格闘する毎日だったのですが、なんと急転直下、いきなり国内向けの作品を受け持つことになりました。しかも、なんと劇場作品!

そのタイトルは『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大戦争』。

■第16回へ続く

(07.05.15)