色彩設計おぼえがき[辻田邦夫]

第173回 『輪るピングドラム』完結! そして劇場で観ました最終回

なんと気がつけばもうあと数日で今年も終わろうとしております! 皆さま、ご無沙汰しておりました、辻田です。本業の超多忙につき、なんとひと月以上も連載お休みしてしまってました。すみません。
そんな本業、TV作品『輪るピングドラム』つい先日最終話を迎え完結いたしました。おかげさまでご好評をいただきまして嬉しい限りであります。まあ「わかんねえよ!」というのも含め、みなさんの感想も様々なようで、Webに上がってる感想や考察見て回るのが結構楽しみだったりしてます。
まあ、正直作業インした去年の秋には、まさかこんな最終回になるなんてまるで想像できませんでしたから(きっと監督も(笑))。いやはや。

さてさて。
その『輪るピングドラム』最終回、第24話を関東でのTV放映に合わせまして池袋の映画館のスクリーンで観る、というオールナイトイベントがありました。壮絶なチケット争奪戦を勝ち抜いた幸運な400名ほどのファンの皆さんと一緒に観る最終回。これまでの話数数本の上映とキャストの方々と監督のトークという構成で時間をつなぎ(笑)、放映の時間にぴったり合わせて劇場で最終回を上映したわけです。

映画館の大きなスクリーンで観る『輪るピングドラム』、これがね、なかなか凄かった。当初TV用に作った映像が映画館の大きな画面に果たして堪えられるのか? と、内心ハラハラしてたんですが、いやあ、まったくの杞憂でありました。すばらしかったです。もうね、まるで劇場版!(笑) いまさらながら、僕らが作ってきた画面の密度がいかに濃かったかを再認識したのであります。とりわけ美術。劇場の大画面で観る手描き感のある背景はいいですね。そして撮影のすばらしさ。過度なフィルターワークを極力抑えつつ、でも的確に空間の深み広さを撮ってくれた画面は、この劇場のスクリーンにおいてもすばらしく圧巻でありました。
なんかね、このままの感じで劇場版作っちゃってもイケるかも! とか思っちゃいました。……あ、いや、そんな予定はないんですが(笑)。でも今度またどこかで劇場作品に関わるチャンスがあったら、この『輪るピングドラム』の経験がそっくり活かせそう、そんな気がしております。

そんなわけで、僕の今年は『輪るピングドラム』一色な1年でありました。去年は『四畳半神話大系』の年でしたし、その前は『STRONG WORLD ONEPIECE FILM』な年でした。来年は果たしてどんな作品に関わっていくことになるのか。僕自身楽しみでなりません!

第174回へつづく

(11.12.27)