色彩設計おぼえがき[辻田邦夫]

第69回 ちょっとだけ宣伝です! 『劇場版 ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!!』

天高く、僕、肥える秋、であります(泣)。

秋になったとたんに多忙が加速しまして、深夜作業が恒常化しつつあります。長く座って作業してますと、まあ、それはそれなりにお腹が空いてくるわけで、1日の食事回数と食べる量は変わらなくても、食べる時間帯がどうにも1食深夜になっちゃうのですね。

「深夜の食事はカロリーが2倍に!」

これは後輩の某色指定さんのお言葉であります。ああ、まさに金言!! 夜遅く食べるのは危険! ということでありますね。

……と、思いつつも、どうにも1食いただいてしまう(泣)。

で、まあ、可能な限り深夜は量を少なくしてるんですが、ず〜っと座って作業してると、どうしても脳ミソが糖分をほしがって、ついつい甘いものに手が……。

そんな秋の夜長であります(号泣)。

さてさて。

つい先日、知り合いの某プロデューサー(池P)から電話がかかってきまして……。

「辻田さんはいま、お忙しいんですか?」

「うん。12月公開の『劇場版 ゲゲゲの鬼太郎』やってるんだよ」

「え!? そんなのあるんですか?」

もうね「そんなの」扱いですよ!(号泣)

案外知られていないんですね、『劇場版 ゲゲゲの鬼太郎』。

もうすぐ公開なのに……。

というわけで、悔しいので今回はちょっぴり宣伝させてもらおうかと……。

あらためまして『劇場版 ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!!』。12月20日(土)全国公開であります。原作/水木しげる、監修/京極夏彦、脚本/三条陸、監督/古賀豪、キャラクターデザイン/上野ケン、作画監督/浅沼昭弘、美術監督/本間禎章、そして色彩設計は僕、という布陣であります。

このお仕事と、そしてもう1本のあるお仕事で目下超多忙な日々であります。それでここのところ連載に穴を……(猛省中)。

現在TV放映中の『鬼太郎』は4度目のリメイクでありまして、初代の放映開始から数えて今年が40周年とのことであります。ってことは、だいたい10年に1度はリメイクされてTVに登場してるんですね。なんだかんだ言って、いやあ人気作ですよ。

一番最初の初代『鬼太郎』はまだシロクロでありました。さすがに当時本放送では見せてもらえませんでしたが(5歳くらいだったようです)、のちに、あれは確か中学生くらいの頃だったかな? 夏に日曜日の朝6時からその初代『鬼太郎』の再放送をやってまして、それをね、部屋暗くして見入ってたのを憶えてます。

その何年か前には2代目『鬼太郎』を夕方の再放送枠か何かで見てた記憶が……。この2代目からはカラー放送になってたワケですが、初代も2代目も、なんとも怖かったなあ。

で、1980年代になりまして3代目『鬼太郎』であります。このあたりから「ヒーロー鬼太郎」な感じになってきましたね。この3代目の時に、僕は劇場用作品の『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大戦争』に参加させてもらったのです(←この話は以前書きましたね?(笑))。

「まさか自分が子供の頃観ていた『鬼太郎』の仕事を、それも劇場用作品の仕事をすることになるなんて」と、なんとも不思議な気持ちでありました。

この『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大戦争』は、あの夢子ちゃんが登場しないお話だったのですね。ここだけの話ですが、実は僕、あの夢子ちゃんの存在が嫌いで(爆)。だって、僕が観てきた『鬼太郎』は夢子ちゃん守って立ち回りするような正義のヒーローではなかったんですもの(苦笑)。なので、シナリオと絵コンテ渡されて一読して、なんかホッとした記憶があったりしてます(笑)。

で、さらに時は流れて、1990年代になって4代目の『鬼太郎』の登場であります。そう、この4代目からデジタル彩色になったのですね。僕は放送自体はほとんど観ていなかったのですが、デジタル彩色の最初の作品ってこともあって、ずいぶん大変だったようであります。この時の色彩設計さんが、いま絶賛放映中の5代目も担当されている板坂さんでありました。

で、5代目。そしてその劇場用長編であります。

何度も劇場用作品になってる『鬼太郎』ですが、いずれも40分程度の尺の短編? 中編? でありまして、90分の長編としてのアニメ映画化は初めてなのであります。なんかちょっと意外でありました。

まあ、ストーリーとかは公式サイトをご覧いただくとして、そんな今回の劇場版、もうね、ある意味お祭りであります(笑)。なにがどうお祭りか? というと、日本全国を6つの地域に分けまして、それぞれその地域ごとに別バージョンが上映される、そんな“仕掛け”があるのですね。

なにがどう違うのか? と言いますと、妖怪鏡爺(かがみじじい)に遠くに飛ばされてしまったネコ娘が、日本中を駆け回って鬼太郎のもとに戻ってくるのですが、その時にその地域ごとの「ご当地ネタ」が登場、ってことなのでありますよ。

先だっても報道されましたが、九州・沖縄地区の「ご当地モノ」として、東国原宮崎県知事が登場。ご本人にちゃんとアフレコお願いしました(笑)。また、関東・甲信越地区では、フジテレビの朝の情報番組「めざましテレビ」が登場。これまた、大塚アナ、高島アナ、そしてお天気の皆藤愛子さんも、ご本人に声をあててもらいました!

そんな「ご当地モノ」のキャラクターたち、みんな僕が色作っております。とりわけ皆藤さんの色はもっとも力いっぱい作った色指定で、「ホントによくできた! ピッタリ!」と僕自身かなりご満悦の自画自賛であります! 今回の劇場版のキャラクターのなかでイチオシですな! ご本人にも、とっても喜んでもらえたようで(嬉)。ああ、それにしても皆藤さん、ご本人にお会いしたかったです(号泣)。

『妖怪大戦争』の時には、頑なに「絶対にTVとは違うものを」と力んで作っておりましたが、今回のこの『日本爆裂!!』は、「TVをいつも観てくださってるみなさんに、より楽しんでもらえるように」とそう思って作っております。みんなが知ってるTVのテイストをさらに劇場版でグレードアップできれば、とそんな気持ちです。

とまあ、そんな感じで(←どんな?)、『劇場版 ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!!』作ってます。もう少しで完成ですな(たぶん)。乞うご期待! であります!

某プロデューサー(池P)も、ぜひちゃんと映画館に観に行くように!

そして、もう1本のお仕事のお話は次回に。

■第70回へ続く

(08.11.04)