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東映TVアニメ主題歌大全集

 テアトル池袋の「ネクストアニメ1&2」は、いよいよ来週の10月26、27日開催です。個人ベースで創作活動をしているアニメ作家と、商業作品で作家性の強い作品を発表しているプロの作家のトークセッション。作品の上映もたっぷりあります。皆さん、ぜひいらしてください。
 今回の更新ですが、「永沢詢インタビュー」は『ガリバーの宇宙旅行』の話題。五味洋子さんの著書「アニメーションの宝箱」のレビュー「週刊ユアサ」では『マインド・ゲーム』のボツコンテを公開。

 さて、以下が本題。最近、アニメ雑誌ライター志望の若い方と話す機会が、何度かありました。過去の名作傑作をマメに観ている人もいたのですが、その中の誰も「アニメ主題歌大全集」を観てなかったんですね。これはちょっと意外でした。
 そんなわけで、今週は「アニメ主題歌大全集」シリーズを紹介しちゃいましょう。これはプロダクションごとのTVシリーズのOP、EDを年代別に収録したビデオソフトで、「東映TVアニメ主題歌大全集」と「日本アニメTV主題歌大全集」が、それぞれDVDで3巻までリリース中。それと「エイケンTVアニメ主題歌大全集」全1巻が出ています。いずれもメーカーは、東映ビデオ。

▲「東映TVアニメ主題歌大全集1」〜「3」(発売/東映ビデオ)

 お勧めは、なんと言っても「東映TVアニメ主題歌大全集」。1963年の『狼少年 ケン』以来のTVシリーズのOP、EDがズラリと並んでいるんですから、これは壮観です。1巻は『狼少年 ケン』から『一休さん』(75年)、2巻は『大空魔竜 ガイキング』(76年)から『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』(82年)、3巻は『愛してナイト』(83年)から『DRAGON BALL Z』(89年)までを収録。
 このシリーズは観ていて愉しいし、アニメの歴史を概観する事もできる。普通のアニメファンにもお勧めだし(CD代わりのイージーリスニングにもピッタリ)、マニアやアニメ雑誌で仕事をしたい人なら必見でしょう。特に1巻には『風のフジ丸』『宇宙パトロール ホッパ』『ハッスルパンチ』『海賊王子』等、このソフト以外では、滅多に観る事ができない映像が山盛り。木村圭市郎作監の『サイボーグ009[第1シリーズ]』『タイガー マスク』、荒木伸吾作監の『魔女っ子メグちゃん』等、小松原一男作監の『ゲッター ロボG』等、押さえておきたい傑作OPも多い。また、主題歌が無闇に乱暴な『鋼鉄ジーグ』とか、インパクト抜群の『アパッチ 野球軍』と、見どころ満載。
 さらに言うと、アニメスタイル的には、2巻の杉野昭夫作画の『大空魔竜 ガイキング』ED、金田伊功原画の『サイボーグ009[第2シリーズ]』『超電磁マシーン ボルテスV』OPあたりもお勧め。個人的には、情緒のある『がんばれ元気』のEDとか、思い入れあるなあ。3巻は比較的近年(と言っても21年前から15年前まで)の作品で、レアなものは少ないけど、鍋島修&越智一裕原画の『光速電神 アルベガス』OP、上妻晋作原画の『剛Q超児 イッキマン』は要チェック。スタジオバード作画の『ゲゲゲの鬼太郎[第3シリーズ]』OPもいいッスよ。
 「東映TVアニメ主題歌大全集」は、LDやビデオでもリリースされているので、レンタル店でビデオを探してみるのもいいでしょう。ただ、LDやビデオに入っていてDVDに入っていないタイトルもあるんですよ。DVDのみの映像特典もあるので、マニアは両方揃えよう。
 ビデオメーカーは違いますが、以前、「東京ムービーTVアニメ主題歌大全集」も、LDとビデオでリリースされていました。このシリーズもなかなか見応えがあったのですが、残念ながらまだDVD化されていません。サンライズのOP&ED集を望むファンも多いと思うのですが、なぜかLDもビデオも出ていません。企画が出てないわけないと思うんですけどね。

 OP&ED集の話題をもうひとつ。『鋼の錬金術師』の歴代主題歌8曲のCDと、ノンクレジットのOP&EDを収録したDVDのセット「鋼の錬金術師 COMPLETE BEST」が発売されました。オリコンのCDアルバムランキングでは初登場1位。アニメアルバムの首位獲得は「交響詩銀河鉄道999」(79年)、「NEON GENESIS EVANGELION 3」(96年)、「EVANGELION DEATH」(97年)についで史上4枚目だそうです。で、そのOP&ED集のDVDを観たんですが、これがよかった! 元々『鋼』はOP&EDもできがいいのですが、クレジットがないのと画質がいいので、見応えが倍増。わすか12分強の内容ですが、これも僕的には満足度の高いDVDでした。

(2004/10/20)


更新情報(04/10/22・第148回)

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