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放映直前『TIDE-LINE BLUE』(前編)
久し振りの飯田馬之介監督作品。しかもTV!!
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■『宇宙の探鉱夫』以来の原作・監督作品
7月6日深夜に放映開始される新番組『TIDE-LINE BLUE(タイドライン・ブルー)』。制作サイドから1話から3話までのビデオをいただき、読者諸君よりも一足早く観る事ができた。ここで、その内容を紹介する事にしよう。
最初に『TIDE-LINE BLUE』のメインビジュアルを観た時に、えっ、これを深夜にやるの? と思った。おそらくは、少年が活躍する海洋冒険もので、ちょっと昔懐かしいまんが映画の香りも漂う。何やら深夜にやるのは勿体ないような作品だ。
実際に本編を観てみると、やはり懐かしいテイストは入っているが、予想していたよりも対象年齢は高そうだ。設定はやや複雑だし、万能の主人公がスーパーマンのように大活躍するわけでもない。純然たる子供向けでもなく、かと言ってガチガチにリアルなドラマでもない。4話以降でどちらの方に振っていくのか、ちょっと気になるところだ。
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(C)小澤さとる・飯田馬之介・バンダイビジュアル
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『TIDE-LINE BLUE』の話題としては、まず飯田馬之介が原作・監督を務める作品という事が挙げられる。飯田馬之介は、OVA『デビルマン 誕生編』『同 妖鳥死麗濡編』『おいら宇宙の探鉱夫』『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』等で、うるさ型のマニア(特にSF系、ミリタリー系)にも高く評価されている監督だ。
彼は監督としては寡作であり、作品数は決して多くはない。近作に、総監督を務めたTVシリーズ『Hellsing』があるが、ファンの印象としては、それが彼の実力が発揮された作品とは言い難い。最近では、漫画「機動戦士ガンダム 宇宙のイシュタム」を「ガンダムエース」で連載。ひょっとして、もう監督はやらないのか、と思われていたところで、この『TIDE-LINE
BLUE』が発表された。彼が原作から手がけるのは『おいら宇宙の探鉱夫』以来の事だ(『おいら宇宙の探鉱夫』ではフォースマン・ランチフィールドのペンネームを使用)。
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(C)小澤さとる・飯田馬之介・バンダイビジュアル
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OVA『デビルマン』シリーズも『おいら宇宙の探鉱夫』も、充実した作品だったが、いずれも未完である。『第08MS小隊』は完結したが、彼が監督を務めたのはシリーズ後半のみだ。今回は、原作から最終回まで、彼がまとめる作品になるはずだ。しかも、毎週観られるTVシリーズ。それだけでもファンにとっては期待が高まるところだ。
■小澤さとると大海戦
飯田監督と共同で原作を担当しているのが「青の6号」や「サブマリン707」で知られる漫画家の小澤さとるだ。原作と言っても先行した漫画作品があるわけではなく、オリジナル作品を作る上で、彼がアイディアを提供するというかたちでの参加だった。本作の製作はOVA『青の6号』と同じバンダイビジュアルだが、ブロデュースサイドには、OVA『青6』でやり切れなかった小澤作品の潜水艦ものの魅力を、本作で改めてやりたいという狙いがあるようだ。また、小澤さとるは、今回のシリーズで潜水艦戦の部分だけでなく、ドラマに関するアイディアも出しているのだそうだ。最終回の最後のシーンには、彼のアイディアが使われる予定だ。
シリーズは全13話。1話や2話にも潜水艦は登場するが、海戦シーンはまだない。シリーズ中に、何度か大きな海戦が予定されているそうだ。それが海洋ものとしての見どころになるのだろう。人物は手描き作画だが、メカニックは3DCGで描かれる事になる。
(文/アニメスタイル編集部)
●放映直前『TIDE-LINE
BLUE』(後編)に続く
■放映データ
2005年7月6日(水) テレビ朝日にて、深夜2時40分よりスタート
■メインスタッフ
原作/小澤さとる、飯田馬之介
監督/飯田馬之介
シリーズ構成/山田由香
総作画監督・キャラクターデザイン/滝口禎一
アクション作画監督/野口寛明
美術監督/白石誠
キャラクター原案/山下明彦
設定/友永和秀、横堀久雄
メカデザイン/山根公利
プロップデザイン/宇田明彦
録音監督/佐藤敏夫
音楽/斉藤恒芳
音楽制作/ランティス
制作/テレコム・アニメーションフィルム、テレビ朝日
製作/バンダイビジュアル
■メインキャスト
キール/阪口大助
ティーン/浪川大輔
イスラ/わくさわりか
アオイ/榊原良子
グールド/土師孝也
ジョゼ/氷上恭子
●公式HP
http://www.tlblue.com/
(05.07.05)
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