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COLUMN
板垣伸のいきあたりバッタリ! 第118回
最近思い出した人、
いろいろ(1)

 作品を作っている時、不思議なもので以前に一緒に仕事をした人の事をやたら思い出したりします。例えばホン読みやコンテ打ち・演打ち・編集など……。やる事はどの作品でもたいがい同じ。だからあらゆる過程で、「あ〜『黒猫』の時はあの人も同じ事言ったなあ」とか「『Devil〜』で同じよーな事あったっけ〜」など、楽しく思い出されるんです。そして「また一緒に仕事したいなあ」と。

 で、『バスカッシュ!』の制作真っ最中。思い出した「また一緒に仕事したい」人、いろいろ!



『グラップラー刃牙』『キャプテン翼』で編集の古川雅士様

 自分の監督作品じゃないから、古川さんに切ってもらったのは『刃牙』4本と『翼』1本。ご一緒できた仕事は少ないけど、自分に与えた影響は計り知れません。

 なにせ『刃牙』は初演出!

 最近、自分の監督作品で新人の演出さんに「こーゆー場合は、ここで間を取ったほうがよい」や「ココ切らなきゃテンポ悪い」などアドバイスしてる内容のほとんどは、俺が古川さんに指導された事、怒られた事だったりします。……いや、なにせ古川さんはモノクロの初代『鉄腕アトム』から仕事してる巨匠!

 歩く“編集の歴史”です、はっきり言って!

 以前、杉井ギサブローさんの項でも少し触れましたが、とても気さくな方です。自分のコンテでよいところを見つけては

「この繋ぎ! イイねえ〜、板垣君!」

 と、とても喜んでくださいました。そして、時に悪いカット繋ぎを見つけると、



 と、ニコニコっとカットをテレコ(前後入れ替え)したり、足したり(別カットを兼用)して新しい繋ぎを作ってくださった後、分かりやすい解説も……。

 勉強になりました、ホント!

 おまけ。古川さんから訊いた面白かった雑談。

  • 「昔の『アトム』の時なんか、手塚(治虫)さんが悪い画ドンドン切ってっちゃうから尺が足んなくなって、EDを2回流したんだよ、ハハハ!」
  • 「○○さん(同じく編集の巨匠)なんか、演出に許可なく切っちゃうでしょ? 僕なんかは線撮りでもちゃんと演出に訊いてから切るんだから、やさしいんだよ、ハハハハ!」
  • 「(寝不足で目が真っ赤な板垣を見て、制作さんに)ダメだよ、演出家を寝かさないと! 演出の寝る時間を作るのは制作の仕事だから、ハハハハ!」

 もう一度、お仕事でご一緒できたらなあ〜。



『BLACK CAT』のシリーズ構成・神山修一様

 神山さんの事は『黒猫』の後の『Devil〜』『バスカッシュ!』でのホン読みの際にもよく思い出す方です。と言うのも、『黒猫』の時はコンテきる時、本当にいつ電話しても相談にのってくれて凄く助けてくださった恩人だから。実は『Devil〜』『バスカッシュ!』でもお願いしたかったのですが、ライターの方たちを揃える時期に自分みたいな新米監督の推薦程度ではなかなか訊いてもらえず――で、どーにもご一緒するチャンスに恵まれないまま現在に至っています。でも、いつかまた組みたいライターさんです。



テレコムの先輩・大木賢一様

 テレコム時代はよく一緒に飲みに行き、テレコム辞めた後もアゼータ・ピクチャーズで『刃牙』のグロスを一緒にやりつつよく一緒に飲みに行った楽しい先輩。『刃牙』の時は俺のコンテのアクションシーンをほぼ描いてくださってウハウハでした。そして、俺がコンテのみをやった『なるたる』#10の作監も大木さん。最近の大木さんの原画は『銀魂』とかで観られましたが

 やっぱりウマイ!!

 残念な事にアゼータの後、自分がゴンゾに行ってからは『砂ぼうず』の最終回、俺コンテ・演出の前半(Aパート)で原画を手伝っていただけて以来ずいぶんとごぶさたしておりますが、またどっかで原画描いてほしい――いや、今度は自分も一緒に原画描いて、テレコムの時みたいに「原画対決」したいです、是非! 今はコンテきってると「こーゆーアクションは大木さんならカッコよく決めてくれるのになあ〜」と妄想したりします。あと、また飲みに行きましょう!!

 ――て事で、今週はここまでで。



(09.05.14)

 
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