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『河童のクゥと夏休み』末吉裕一郎インタビュー
筆頭アニメーターに訊く『河童』の作画


現在公開中の原恵一監督作品『河童のクゥと夏休み』で、キャラクターデザインと作画監督を務めているのが、末吉裕一郎。『クレヨンしんちゃん』や『マインド・ゲーム』などで、アニメスタイル読者にはおなじみの凄腕アニメーターだ。原監督から絶大な信頼を寄せられ、今回は作監のみならず原画マンとしても相当に腕を振るっているという。気になる参加アニメーターなどについても、お話をうかがってきた。


プロフィール
末吉裕一郎

1962年岡山県生まれ。OH!プロダクションで原画マンとしてのキャリアをスタートさせ、その後フリーに。シンエイ動画作品に多く携わり、『クレヨンしんちゃん』ではTVシリーズ・劇場版の双方で主力スタッフの1人として活躍。原恵一監督の『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』と『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』ではキャラクターデザイン・原画を手がけた。また、2004年に公開された湯浅政明監督の初長編『MINDGAME』ではキャラクターデザイン・総作画監督を務め、各方面から賞賛を集めた。

●2007年7月18日
取材場所/田無・シンエイ動画
取材・構成/岡本敦史




── 今回の作品に参加されたきっかけは?
末吉 最初に話を聞いたのは、かなり前ですね。原(恵一)監督から「河童のキャラクターを描いてほしい」と急に言われて、何点か出したんです。それがこの作品だとは知らなかったんですけど。
── 特に木暮正夫さんの原作とは言われずに、いきなり「河童を描いてくれ」と?
末吉 そうです。それがいちばん最初だったと思います。
── 原監督からうかがったお話では、10年程前に行われたアニメ企画公募に出した時、初めて末吉さんにキャラクターデザインを頼んだそうですが。
末吉 あ、そうです。その企画は結局通らなかったんですけど、河童を描くいちばん最初のきっかけはそれだったと思います。そこからわりと間があって、今回の作品になったんですけど。
── 最初は内容も何も知らされずに関わったという事なんですが、その後、原作は読まれたんですか?
末吉 ええ、後で監督から原作本を渡されて。「いずれこういうのをやりたいんだ」という感じでもらったと思います。
── 末吉さん自身「面白そうだな」と思われたんですか?
末吉 そうですね。原さんが好きそうな感じだなあ、と思いました(笑)。結構、日常芝居とかが多かったので、自分にできるかどうか凄く不安だったんですけど。『河童』に入るまでの間に、途中で『MINDGAME』とかをやっていたので、リアル系のキャラを練習する機会があったんですよね。
── なるほど。
末吉 だから、こちらとしては間が空いてくれて助かりました。いきなり入ったら、きっと頭身も『(クレヨン)しんちゃん』みたいに描いちゃったと思うんですけど。
── 初期に描かれたキャラクターデザイン案を拝見すると、完成作に比べて少しキャラっぽいというか、末吉さんらしさを感じる画でした。決定稿とはかなり印象が違います。
末吉 そうですね、ちょっとAプロ作品みたいな感じで。あの時は、ああいうキャラクターしか描けなかったので。
── アニメーションのスタイル的な部分で、監督から具体的な注文はあったんですか?
末吉 監督がわりと絵を描ける人なので、いつもラフみたいなものを描いてくれるんですよ。それを参考にして描きました。少年とかも、今時のキャラクターっぽいものじゃなくて、ちょっと暗い感じというか、あんまり可愛らしい感じにしないように。

▼『河童のクゥと夏休み』本編より、主人公の康一。自然な少年らしさがあるデザイン

── 今回はあまりケレン味なく、ストイックな感じでまとめられていると思うんですけど、末吉さんが得意とする、いわゆる「崩し系」のタッチではないですよね。
末吉 そうなんですよ。だから自分としてはかなり厳しいと思ったんですけど、やってみたら楽しかった。
── わりと全部、楽しく描けた?
末吉 ええ。でも、子供は大変でしたね。小学5年生ぐらいの子供って、どのぐらいの感じなのかよく分からなくて。町とかで子供がいると、観察したりしました。まあ、あんまりジロジロ見てると危ないんで(笑)、チラッチラッと見るぐらいにしてましたけど。あと、原さんがNHKの教育番組を見ながら描いた絵を、また僕が参考にしたり(笑)。だから子供達のキャラクターは、その番組に出てる子供達にも少し似てるんですよ。
── そうなんですか。
末吉 それと、これも原さんから教えてもらったんですけど、塩田明彦監督の「どこまでもいこう」という映画は、何十回と観ましたね。凄く参考になりました。
── 子供らしさはかなり、リアルに出てますよね。
末吉 ええ。その辺は相当注意して、なるべくそう見えるように描いてました。
── 河童のキャラクターについては?
末吉 自分の中でわりとイメージがあったので、それをスケッチブックとかに描いて、原さんに見せたりしてました。そこで原さんとまたイメージを固めていって、形にしたという感じです。
── それほど苦労はせずに。
末吉 河童については、そうですね。わりとすんなり行けました。
── 犬はどうですか?
末吉 犬も結構、難しかったんですよ。ちょっと老犬なので、そう見えればいいなと思って。そういう時は原さんに「こういうところに皺を入れると老犬に見えるよ」とか、アドバイスをもらったりしていました。原さんは実際に犬を飼っていて、わりと詳しいので。
── その間、原監督のコンテ作業も進んで行くわけですが、上映時間が3時間になる(編注:完成版は138分に短縮)と分かった時はどう思いましたか?
末吉 いや、長くなるからどうとかは、あまり考えなかったです。原さんが好きにやってくれればいいな、と思ってましたね(笑)。
── 末吉さん自身のモチベーションはいかがでしたか?
末吉 気分的には、楽しい仕事をやってるな、恵まれてるな、という感じでした。
── 作画作業に入ったのはいつ頃ですか? 先にパイロット版があると思うんですが。
末吉 いつだろう? パイロット版が上がってからも、少し間があったんですよね、確か。
── 『MINDGAME』が終わった後ぐらいでしょうか。
末吉 多分、そうだったような気がしますね。長かったから、あまりよく覚えてないんですけど。パイロット版も時間をかけて作ってたんですよ。1年ぐらいとか。
── パイロットと完成版で、内容的に大きな差はあったりしたんですか?
末吉 いや、基本的には同じだと思います。
── スタッフも変わらず?
末吉 ああ、パイロット版からは結構変わったんです。原画に湯浅(政明)さんとか伊東(伸高)君とかが入ってたんですけど、今回は参加できなくて。パイロットの原画をやってくれた人達は、ほとんど本編はやってないんじゃないかな。
── 綿密なロケハンも行われたそうですが、末吉さんも参加されたんですか?
末吉 ええ、行きました。朝早くからみんなで動き回って。(舞台となる東久留米の)川も道も駅も、みんな本当にある場所ですからね。
── それから本格的に制作が始まって、末吉さんが作監として特に力を入れられた部分はありますか?
末吉 『しんちゃん』みたいな奇抜な動きではなく、なるべく普通の芝居をしようと心がけてました。自然に見えるように。あと、河童と人間の動きの差をちょっと付けたいな、というのはありましたね。
── 原監督のコンテには、キャラクターの細かい所作までみっちり描き込まれてましたが。
末吉 そうですね。特に子供の描写、感情の機微みたいな部分が多かったですね。プール際の康一と紗代子のシーンとか、面白かったです。
── 監督からのダメ出しとかはあったんですか?
末吉 いや、足りないところを「もうちょっとこうして」みたいな事はありましたけど。打ち合わせで大体決まってましたから。コンテにあれだけ描いてあるので、こっちも楽といえば楽なんですよね。
── でも、アニメーター的には自由度がなくて面白くない、みたいな思いはなかった?
末吉 今思ってみると、そういうのは全然なかったですね。
── 以前、アニメスタイルのイベントで「画面内にキャラクターがいっぱい出てくると腹が立つ」とおっしゃってましたけど(笑)、『河童』もそんなシーンがいくつかありますよね。
末吉 ああ、そういえばそうですね。
── 今回はきついところはなかったですか?
末吉 そういうストレスは感じませんでしたね。僕が原画をやったところが、わりと人数の少ない場面ばかりだったからかもしれませんけど。嫌だと思う事は全然なかった。群衆シーンばかりやってた人は、うんざりしてたかもしれない(笑)。
── 今回、相当な量の原画を描かれているとうかがいました。原監督は「末吉さんには筆頭アニメーターになってほしかった」とおっしゃっていましたが。
末吉 ええ。最初、入る前から「たくさんやってくれ」と言われて(苦笑)、できるかなあと不安になりつつ、できるかぎりやりたいとは思いましたね。
── 具体的にはどのあたりの原画を担当されてるんですか?
末吉 最初の河童親子が出てくる場面とか、Aパートとか、プール際での康一と紗代子の会話シーンとか、龍の出てくる場面とか、ラストの別れのシーン、あとエピローグですね。
── めちゃくちゃ描いてますね!
末吉 そうですね(笑)。結構、大変なところをもらいました。

▼本編より。末吉さんが原画を担当した、感動的な別れのシーン

── 特に力を入れられたところは?
末吉 うーん……龍の場面では、今までのアニメにないような龍を描きたいと思って、いろいろ考えて描いたんですけどね。実際に画面を見ると「ああ、龍だな」って感じなんですけど(笑)。あと、プール際のシーンは結構、面白かったですね。
── 「面白かった」ですか。
末吉 ええ、大変だったですけど。あの年代の男の子が、ああいう時に感じる心境を出せたらいいな、と。恥ずかしいんだけど、好意も持っていて、みたいな。
── 芝居の部分で。
末吉 ええ。コンテにもその辺は細かく描いてあるので。
── 他に参加されたアニメーターの方で、目立って活躍された方というと?
末吉 みんな活躍してくれましたよ。シンエイにいるベテランの大塚正実さんなんて、本当にたくさんやってくれてます。記者達が荷物を車に乗せて走り出すところとか、大変なところも含めて。林静香さんもかなりやってくれました。結構、原画の人達には恵まれましたね。楽でしたよ(笑)。
── 作監修正をいっぱい載せるような事はしなかった?
末吉 いや、性分として、他人の画に自分の画を載せられないですから。直すのが苦手なので(苦笑)。できるだけ似てるところを探して、その人の画が残るようにやってたんです。だから結果的にバラつきのある画になっちゃったんですけど。その辺は少し反省してます。
── 意図してそうしたわけではないんですか?
末吉 やっぱり、最初は統一しないといけないと思っていたんですけどね。上がってきた原画を見ると、なんか直せないんですね(笑)。人の画を直すというのがどうしてもできなくて。
── 映画が始まってキャラクターを見た時は「これはかっちり画を揃えていくスタイルなのかな」と思うと、わりと途中からアニメーターさんの味が出てくるので、そこも面白かったです。だんだんシンエイ調が出てくるというか。
末吉 大塚さんとかね。凄く個性的な画を描いてくるから、直さなくちゃいけないのかな? と思うんだけど、でも直すときっと個性がなくなっちゃうから……「いいや」って(笑)。全然似てないわけじゃないから大丈夫だろう、なんて。
── 映画の後半、康一と紗代子が川沿いの道で、クラスメートから「河童菌!」とか囃し立てられる場面って、大塚さんですよね。
末吉 そうです。分かりますよね、やっぱり(笑)。
── あの場面の完成度の高さはもの凄いですね。大塚さんのベストに近い仕事だと思いました。
末吉 うん、あのタイミングとか動きは凄かったですね。この人以外にはできないな、という感じでやってくれました。他にも、TV局の中でクゥが父ちゃんの腕と再会する場面とかもそうですね。
── 後ろに立ってる人の顔を見ると分かりますよね(笑)。その後、クゥとオッサンがTV局から逃げ出して、東京タワーまで走るシーンはどなたが担当されてるんですか? わりと「崩し系」っぽいタッチですが。
末吉 あれはね、牧原(亮太郎)君という若手のアニメーターさんがいるんですけど、彼はそういうのが得意なので「こういう場面があるんだけど」と頼んでやってもらったんです。
── かなりスタミナがないとできない仕事ですよね。
末吉 ええ。凄いですよ、本当に。動かすのが大好き、みたいなね。ちょっと余計に動かしすぎて、カットされてるところもあるんですけど(笑)。で、牧原君の後、林さんが続くんですね。東京タワー下の広場のシーン。この辺は凄いアニメーターが集結してやっていますね。
── 作画ファン的にはいちばんの見せ場だと思います。
末吉 まあ、あそこがいちばん盛り上がるシーンですよね(笑)。
── クゥと康一達が相撲をとるシーンの作画は、どなたが担当されてるんですか?
末吉 M.S.Cというスタジオにいる鍋田(香代子)さんという方で、やっぱり巧かったですね。そこのスタジオの女性アニメーターの方達が、結構あの辺の場面をやってます。クゥが瞳(康一の妹)を放り投げる場面とか。同じM.S.Cの佐藤(雅弘)さんという方も凄く巧くて、『しんちゃん』でもよくやってくれているんですけど、『河童』でもクゥと康一が遠野の川で泳ぐシーンを描いてもらってます。
── 瞳の表情もかなりよかったです。ブサイクと可愛いのボーダーラインというか(笑)。
末吉 原画の人によって、表情の付け方も色々変わってたんですけどね。それはそれで、子供らしくていいのかな、と。子供って泣いたりすると結構顔が崩れたりするから。思いきりやっちゃってもいいかな、と思ってそのままにしてます。あれは原画マンさんのおかげですね。
── 河童の描写なんかも、ちょっと不気味だったり気持ち悪かったりするところは、そのまま気持ち悪く描かれてますね。
末吉 最初から河童はちょっと気持ち悪い感じにしたい、とは思ってたんです。ややグロテスクな、人間とはやっぱり違うな、という感じが出ればいいかなと。
── でも、見ているとだんだん可愛くなってくる。
末吉 そう。観た人からもよくそう言われます。描いてる方も、最初の頃に比べると「だんだん可愛くなってるなあ」と思う事があって(笑)。

▼本編より。映画が進むにつれて可愛くなってくる(?)河童のクゥ

末吉 他にも結構、群衆シーンなんかもいっぱいあって、若いアニメーターの人達も凄く頑張ってくれましたね。みんな大変だったと思います。
── でも、いくつかのシーンは残念ながら後でカットされてしまったりして……。
末吉 そうですね。原画として上がってる部分が結構なくなってたりするんですよね。TV局の中のシーンは、わりと大変だったところがカットされちゃって。クゥがペンギンの水槽に入って泳ぎ回ったりするシーンがあったんですけど。
── そうなんですか。
末吉 原画も全部上がってたんですけどね。
── 監督は「もし要望があれば全長版を復活させたい」と言ってました。
末吉 そうですねえ。DVDとかでも出してもらえたらなあ、と思いますけど。
── 『河童』に入っている間も、末吉さんは他の仕事をかけもちでやられていたと思うんですが。
末吉 そうですね。シンエイに入ってやっていたので、ちょっと抜けて映画の『しんちゃん』とかをやってました。
── しんどかったですか?
末吉 いや、そんなには。『しんちゃん』に入っている間は『河童』の方を全然やらずに、集中してやっていたので、大変ではなかったです。
── これが終わればまた『河童』に戻れる、と。
末吉 そうですね(笑)。長い事やってましたからね……終わっちゃうともう、苦労した記憶とかは出てこないんですけど、やってる間は大変だったかもしれない。
── 2〜3年はかかってますよね。
末吉 ええ。なかなか終わらないんで、なんかシンエイの中で『河童』班だけ浮いてるような気がして(笑)。「こんな風に時間かけちゃっていいのかな」と思ったり。
── 劇場『しんちゃん』とかがお祭り状態になっているのを横目に見たりして。
末吉 そうですね(笑)。だから、好きにやらせてくれたなあ、という感じはありますね。そこで原さんが、わりといつもの調子でマイペースに進めてくれたので、こっちも凄く助かりました。もし原さんがカリカリカリカリ一所懸命やってくれちゃうと、こっちもそれに合わせて大変だったと思うから。
── そういう作り方をした作品というのは、末吉さんにとって初めてでしたか?
末吉 まあ『MINDGAME』も長かったですけど、こういう感じの作品は初めてかもしれないですね。
── 作業を終えたのが昨年末ぐらいですか。
末吉 それもいつだかよく覚えてなくて(笑)。多分、そんな感じだったですね。
── 原監督は作り終えて虚脱状態らしいですが、末吉さんはどうですか?
末吉 確か、終わってすぐ『しんちゃん』に入ったのかな。ずっと仕事が続いてて、だから初号を観た時に初めて「ああ、できたんだ。かたちになったんだ」と実感しました。
── その時はわりと頭を抱えちゃうような事はなくて、「ついにできた!」という感じだったんですか。
末吉 そうですねえ。いつもだったら、初号や0号に行く時は処刑台に立たされるような気分で(笑)、青くなって観てるんですけど。今回は物語とか、映画自体として作品を普通に観る事ができた。凄くよかったですね。
── 「あくまで主役は物語であって、キャラクターではない。そういう画にしてほしい」というのが原監督の意図だったと聞きました。
末吉 ああ、言われてみれば、そうですね。
── 監督からそう注文された事はなかった?
末吉 そこまではっきり言われた事はないと思いますけど、今そう聞くと、確かにでき上がったものを観た時はそう思いました。物語として、映画として観れましたから。いつも自分のパートが近づいてくるとドキドキしながら観てるんですけど、今回は完全に、映画の中に入って観る事ができた。
── それは今までにない経験ですか。
末吉 うん、ないです。自分のパートが過ぎると「しまったー!」って感じで、後の場面も覚えてないんですけど(笑)。今回は最後まで観れましたからね。やっぱり監督の力ですよね。アニメを観てるという感じじゃなく、入り込んで観てました。まあ、何回か観るうちにいろいろ気になり始めてますけど(苦笑)。

▼本編より、河童親子の初登場シーン。妖怪ならではの不気味さもしっかり表現

── ご自分の中で『河童』はかなり大きな作品でしたか?
末吉 そうですね。とりあえず今持っている自分の力で、できる限りの事はやったかな、という気はします。
── でも、これまでの末吉さんのスタイルとはちょっと違った感じのものですよね。
末吉 そうなんですよね。違うスタイルだったんですけど、途中からわりとやり易くなってきた感じなんです。最初はキャラクターに馴染めなくて……自分で描いたんだけど(笑)。「特徴がないなあ」とか思ってたんですけど、途中から馴染んできましたね。他の原画マンさんがわりと巧く描いてきてくれたので、きっとそういうのに影響を受けていったんじゃないかな。
── 絵柄的には、シンエイ作品としてもあまりないタイプで、このタッチがどこから出てきたんだろう? と思うと、不思議な感じもしました。
末吉 そうですねえ……でも、原さんがやるんだから不思議ではないんだろう、と(笑)。
── 全体を振り返られて、どうでしたか?
末吉 とてもやり甲斐のある仕事をやらせてもらったと思ってます。スケジュールにしても他の様々な面にしても、凄く恵まれた環境の中でできて、ありがたかったです。
── 全然ネガティブな気持ちはなく。
末吉 そうですね。スタッフも本当によかったですから。制作もそうだし、プロデューサーもそうだし、監督もああいう人だから(笑)。楽しくやれましたね。
── 今後のご予定などは?
末吉 今、ちょっとスタジオジブリの作品を手伝わせてもらってるんですけどね。その後はまた、原さんが何か動けば手伝わせてもらいたいな、と思ってます。その合間にまた『しんちゃん』とかもやると思うんですけど。そんな感じです。
── ありがとうございました。



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(07.08.06)

 

 
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