内容を紹介

 このコーナーでは「時をかける少女 絵コンテ 細田守」に収録された細田監督の絵コンテの一部を紹介します。

▲映画冒頭より。キャッチボールをしている途中で、妹に呼ばれた気がして振り返る紺野真琴。彼女が2度目に振り向くカットは、彼女を挟んで正反対の位置にあるカメラで撮ったアングル。細田監督ならではの切り返しだ。ちなみに「2-17」とはシーン2のカット17の意味

▲自転車に2人乗りして帰宅する真琴と千昭。「俺と……つきあえば?」と千昭の衝撃的なひと言。それに対して真琴は? 「チラッチラッと真琴を見つつ、微妙にタイミングを計って」等のト書きに注目

▲踏切に向かって自転車で坂道を下りていく真琴。街並みや踏切周辺の緻密な描写が素晴らしい

▲大爆笑のカラオケBOXのシーン。「33-1同ポ」「33-2同ポ」と書かれているが、「同ポ」とは「同ポジション」の略で、同じカメラ位置の意味。「33-1同ポ」なら、シーン33のカット1と同じ構図をとる事を指示しているわけだ。「同ポ」を効果的に使うのが細田守演出の特徴のひとつで、『時をかける少女』でも多い

▲功介が告られた事について言い争う3人。そして、帰宅途中の風景で、指示方向外禁止の標識と分かれ道。標識と分かれ道は、細田演出が得意とするシンボリックな表現だ。シンメトリー構図も心地よい