絵コンテ2《シリアス編》

 細田作品のトレードマークといえば、緊張感みなぎる画面構成と、映画的リズムを熟知した巧みなモンタージュ。重さと鋭さを湛えたムードの醸成、静かにエモーションを盛り上げていく丹念な描写の積み重ねは、『サマーウォーズ』でも健在だ。

▲夜の陣内家で、健二と佳主馬が初めて出会う場面。静謐な夜のムードと微妙な緊張感が漂う

▲侘助の登場シーン。「スタティック(静的)に、絵画的緊張感を出す!!」という監督のメモが、完成画面でも見事に実現されている

▲侘助の起こした「事件」が発覚し、家族と侘助の間に緊張が走る。間を隔てる柱の位置が効果的

▲作戦開始直前、互いに顔を見合わせる男たちのシリアスな表情。これが映画だ、と観客に思わせる見事なカット繋ぎ。モニタにそれぞれのアバターが映っているところが細かい

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