絵コンテ1《ユーモア編》

まずは、細田監督らしい品のあるユーモアに満ちた、和やかな場面からお届けしよう。ほのかな笑いを誘うようなシーンにも、緻密なレイアウトの計算があり、ベタなギャグに陥らない抑制のテクニックが光る。そのあたりの巧みなコントロールにも注目だ。

▲主人公・健二が「曾孫の許嫁」として覚悟はあるのか、と陣内栄に問われる場面。全体的にはユーモラスなシーンだが、栄のキメのカットは力の入り方が違う

▲万助が土産に持ってきた大量のイカを子供たちや女性陣に披露する場面。細田監督ならではの同ポ・マジックがきいている

▲夏希の嘘がバレ、さらに恥ずかしい展開になっていく場面。そこはかとないユーモアを醸し出すため、空間の奥行き、人物の位置関係などが厳密に設計されている

▲庭の池に漁船、という映画本編を見ていないとワケが分からない場面。呆然としたまま大量の水しぶきをひっかぶる健二と太助の地味な反応がおかしい

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