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		DVDあれこれ・２　いよいよ、今石洋之監督の『ＤＥＡＤ　ＬＥＡＶＥＳ』の公開が始まりました。トンガリ系の映像好きや作画者は早速劇場に駆けつけるよーに。1月25日（日曜）には、アニメスタイルイベント「今石洋之特集」も開催。このイベントでは彼の新人アニメーター時代からの秘話が聞けるはず。詳しくはこちらを。　さて、前々回の「ヒトコト」に続き、昨年発売されたDVDについて記しておきます。今回も仕様やパッケージ等について、です。　まずは以前にも取り上げた『悟空の大冒険』（コロムビアミュージックエンタテインメント）のDVD-BOX。出崎統によるマンガ版の単行本形式での復刻に、制作されたものの放映されなかった出崎演出の超異色作「ニセ札で世界はまわる」の初公開。これだけでも大事件でしたが、パイロットフィルム、明治製菓ＣＭ、第２エンディング「悟空音頭」、天地総子が悟空を演じたバージョンの第１話、『鉄腕アトム』最終話についた『悟空』の予告（新作画）等、映像特典が山盛り。更に解説書も今までの同社の虫プロ作品DVD-BOXと同様に、資料と関係者のコメントがこれでもかとばかりに詰め込まれた内容。『鉄腕アトム』の「ミドロが沼」や幻のOP等、様々なフィルムや資料を発掘してきたこのDVD-BOXシリーズは、アニメ界の偉業と言ってよいものであり、『悟空』はその集大成に相応しい充実したものでした。　昨年末、『ど根性ガエル』（バンダイビジュアル）と『元祖天才バカボン』のDVDシリーズ（パイオニアLDC）が完結しました。今更説明するまでもないですが、いずれも東京ムービーを代表するギャグアニメで、見るべきところが多いシリーズ。『元祖』はこれが初のソフト化です。『ど根性』は第１巻の解説書がちょっと薄味だったのですが、次第に内容が濃くなり、全体としてはかなり充実したものとなりました。設定資料も豊富に掲載されているし、百瀬義行（２巻）、小林治、本多敏行（３巻）、芝山努（４巻）、小林七郎（５巻）とインタビューも押さえるべきところを押さえています。５巻に掲載された百瀬さんの描き下ろしイラストも当時のテイストが出ていて、実にナイスでした。本編の映像も相当にシャープで、それも嬉しかったですね。　『元祖』の方は、解説書のボリュームは少なめですが、今までほとんど世に出ていなかった芝山さんの各話のキャラクター設定（これが絶品！）が掲載されただけでも、よかった。パッケージは設定を大胆に拡大して使ったデザイン優先のもので、アニメDVDのパッケージとしては画期的にお洒落な仕上がりでした。中のケースに使われていた芝山さんの描き下ろしイラストが、かなり当時の画風に近いもので、「おお、流石は芝山さん！」と感心。残念だったのは、解説書にも触れられていますが、シリーズ前半のオープニングが現存せず、全話にシリーズ後半のオープニングが付けられているんですね。そのため、実際にはシリーズ後半のみで作画監督を担当している北原健雄さんが、１話から作画監督としてクレジットされている（最近のケーブルテレビ等での再放映も同様のはず）。Ａプロファンとしては、これだけは残念でした。　「無敵超人ザンボット３　DVD MEMORIAL BOX」の初回版は、初回封入特典の「ZAMBOT3 ARCHIVES」と通常版解説書の２冊のブックレット付き。前者は176ページの大ボリュームで、設定、原画、最終話の脚本、絵コンテ等を収録。資料自体もレアなものが多いですし、図版も大きく載っていて見応えもバッチリ。ただ、こういった充実した解説書を見ると、映像ソフトの特典ではなくて、単独の商品として発表できないのだろうかと思いますね。いや、それが難しい事はよく分かっているのですが。　最後に新作のDVDに関する話題もひとつ。『ラーゼフォン　多元変奏曲』の初回限定版に掲載された出渕裕×押井守の対談です。押井さんは以前から出渕さんに対して辛口のコメントをしているらしく、その事もあってこの記事は発売前から話題になっていました。同パッケージの売りのひとつだと思いますので、その内容を具体的に紹介するのはまだ控えますが（ちょっと思った事があるのでそのうちに関連した内容について書きます）、いやあ、面白かったですよ。２人のやりとりは勿論、語られている内容も。押井さんの鋭さと語り手としての魅力が存分に発揮された記事でした。昨年発表されたアニメ関連の記事の中で一番刺激的だったんじゃないかと。（04.01.16）