小黒 『AKIRA』の後の、『ピーターパンの冒険』や『バニパルウィット』では、御自身のキャラクターでおやりになっていますよね。(注14)
なかむら チャンスがあれば、できるだけ、そういう風にやっていきたいと思う。そして、キャラデザインも、所謂リアルな方向にはあまり行かないんです。そこには子供の頃観たアニメの記憶があり、そのラインを越えられないというか、越えたくないというのか。それ以外のセル画の画に魅力を感じないんです。リアルなキャラクターだと、どんなに動きが巧みでも、その分だけ、人物の薄っぺらさを感じてしまうんです。それと、等身の高いものは描きづらいしね。尊敬する高畑さんの『おもひでぽろぽろ』観たとき、思ったんです。現実のシーンって、かなりリアルだったけれど、回想シーンの漫画っぽい方が、明確に感情面が伝わってきたんですよ。 しかし、そうは言っても、また何かの加減で変わるかもしれませんが……。
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(注14)『ピーターパンの冒険』と『バニパルウィット』
それぞれ代表作。『ピーターパンの冒険』は名作劇場の1シリーズで、キャラクターデザインと場面設定を担当。『バニパルウィット』は彼のオリジナルの劇場作品。監督、原作、脚本、キャラクターデザイン、作画監督を担当している。
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