【artwork】『マイマイ新子と千年の魔法』
特別編 原撮・動撮(1)

 artworkのコーナーは撮影前の素材を中心に紹介しているが、『マイマイ新子』特集では大盤振る舞い。特別編と銘打って、素材紹介記事とは別途、原撮・動撮をお目にかけよう。原画を用いてのテスト撮影が原撮、動画を用いてのそれが動撮である。これから紹介するのはいずれも、実際の制作時に、動きや演技のチェックのために作られたものだ。例によって片渕監督自身からコメントを頂戴している。
 まずは作画監督・メインアニメーターとしてクレジットされている、尾崎和孝の担当カットをお見せしよう。彼は『電脳コイル』の原画、劇場『猫の恩返し』、劇場『サマーウォーズ』の作画監督と様々な作品で活躍中。

●犬と戯れる新子 cut#227
『アリーテ姫』の作画監督・尾崎和孝氏の原画。尾崎くんは本作では「作画監督」のほかに「メインアニメーター」という役職でもクレジットされているが、これは尾崎和孝、今村大樹、川口博史という3人のメインアニメーターたちで本編カット数の3分の1、実に合計300カット以上の原画をこなした功績に対してのもの。尾崎君は『名犬ラッシー』の第1話でも、「1000匹の羊」を描きまくって「目が回りました」といいつつ、誰よりも早く原画を終わらせていた。仕事が速く、それでいて、人間のキャラクターと同じレベルで動物に芝居させることができる。今回はほかにも亀のUPなんかも尾崎君に動かしてもらった。その上で演技の複雑な部分の作監も多数やってもらっている。とにかく頭が下がります。

【artwork】『マイマイ新子と千年の魔法』特別編(2)へつづく

●『マイマイ新子と千年の魔法』公式サイト
http://www.mai-mai.jp

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