【artwork】『マイマイ新子と千年の魔法』
特別編 原撮・動撮(2)
続く、原撮・動撮の第2回は、原画マン、山口明子のカットをご紹介。スタジオジブリ作品、日本アニメーション作品、劇場『ドラえもん のび太の恐竜2006』『同緑の巨人伝』などで活躍されている方だ。女の子2人の動きの描き分けはもちろん、その演技から2人の関係まで伝わってくるよう。
●麦畑を走る新子と貴伊子 cut#355
尾崎君と同じく、『魔女の宅急便』の動画以来の仲間、『名犬ラッシー』『アリーテ姫』の原画マンでもある山口明子さんのカット。この人も、頭の中のこしらえごととしてでなく、体感的、感覚的な演技でキャラクターを動かしてしまう。親密さを得た新子と貴伊子の間には、手をつないだり、肩を抱いたり、体の触れ合いがいっきに増す。こういう芝居に体重を感じさせ、体温を感じさせる味わいは、もはや山口さんならでは。このカットはそれでいて20秒近くある長尺なのだ。完成画面では下半身が麦で隠れてしまったのがもったいなくてしょうがない。
【artwork】『マイマイ新子と千年の魔法』特別編(3)へつづく
●『マイマイ新子と千年の魔法』公式サイト
http://www.mai-mai.jp
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