第255回 ちょっと一休み(番外編9)
この「アニメ様365日」の連載も、気がつけば2年目に突入。少し前まで、2009年のうちに、1990年代の話題に突入するかと思っていたのだけれど、この255回の原稿を書いてるのが11月24日。まだ、1985年TVシリーズの途中で、その後で1985年のOVAもあるから、年内に1990年代なんて、とても無理。下手すると1986年にも到達しないかもしれない。
振り返ってみたら、11月に入ってから『機動戦士Zガンダム』と『魔法のスター マジカルエミ』の話題しか書いていない。そりゃあ、連載の進みが遅いわけだ。1980年代後半になったら、もっとサクサク進むと思っているのだが、果たしてどうなるか。こればかりは書いてみないと分からない。
この連載では、なるべく当時の印象を思い出して書くようにしている。だが、当時の印象と、現在の印象が違う場合もある。例えば、初見時に面白いと思った作品を、原稿を書くにあたって再見し、つまらないと感じた場合は、「当時はこう思った」と「今はこう思う」の両方を書くようにしている。『Zガンダム』の原稿なんて、当時の印象に忠実に書こうとして、妙にネチっこい原稿になってしまったところがある。
当時の気分を、なかかな思い出せない場合もある。実は『マジカルエミ』がそうだった。数年前にアニメスタイルイベントで『マジカルエミ』のOVA『蝉時雨』を上映したけれど、その準備段階で、TVシリーズの『マジカルエミ』を数本観返した。観返したのは「アニメ様365日」で取り上げたような、好きな話ばかりだったのだけど、なぜかあまり楽しめなかった。その理由が分からず、不思議でしかたなかった。
しかし、「アニメ様365日」で原稿を書くにあたって、『マジカルエミ』を1話から観て、ハマってしまった。順番に観て『マジカルエミ』という作品の温度や空気感に慣れていったのがよかったのだろう。本放映時と同じように楽しんだし、本放映時の自分の気分も思い出していった。ああ、そうだ。当時はこういうところに感銘を受けた。そんな事を次々に思い出した。ちょっと面白い体験だった。
連載がもう少し進むと、僕はアニメージュで働くようになる。そこで、ちょっと原稿のノリが変わるかもしれない。1990年代に入ると『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』や『美少女戦士セーラームーン』があり、ちょっと違った立場で作品に関わるようになる。1990年代後半には『少女革命ウテナ』『新世紀エヴァンゲリオン』『機動戦艦ナデシコ Martian Successor Nadesico』がある。そんな感じで20世紀末まで進めたいと思っている。そこまでいければいいなあ。20世紀末までいったとして、後をどうするかは、その時に考えるつもりだ。
第256回へつづく
(09.11.24)