第353回 1987年のTVアニメ
今回から、1987年のTVアニメの話題に入る。第305回「1986年はTVアニメ冬の時代」で話題にしたように、前年には、アニメファン向きのタイトルが激減したのだが、この年には、随分と持ち直している。以下が、1987年に始まった新番組一覧だ。
1987年にスタートしたTVシリーズ
- 『愛の若草物語』
- 『新メイプルタウン物語 パームタウン編』
- 『機甲戦記ドラグナー』
- 『世紀末救世主伝説 北斗の拳2』
- 『陽あたり良好!』
- 『ことわざハウス健康編』
- 『ウルトラB』
- 『CITY HUNTER』
- 『きまぐれオレンジ★ロード』
- 『げらげらブース物語』
- 『エスパー魔美』
- 『ディズニー劇場 ガミーベアの冒険』
- 『赤い光弾ジリオン』
- 『マシンロボ ぶっちぎりバトルロッカーズ』
- 『トランスフォーマー ザ・ヘッドマスターズ』
- 『SLIPPY DANDY』
- 『青春名作アニメ』
- 『レモンエンジェル[第1期]』
- 『のらくろクン』
- 『ミスター味っ子』
- 『アニメ三銃士』
- 『アニメ80日間世界一周』
- 『ビックリマン』
- 『おらぁグズラだと[新]』
- 『仮面の忍者 赤影』
- 『マンガ日本経済学入門』
- 『ついでにとんちんかん』
- 『グリム名作劇場』
- 『レディレディ!!』
※『ディズニー劇場 ガミーベアの冒険』は海外作品。以上と別に『セントエルモ光の来訪者』等のTVスペシャルがあった。
ティーンの視聴者を意識した作品として『CITY HUNTER』『きまぐれオレンジ★ロード』『赤い光弾ジリオン』『機甲戦記ドラグナー』『陽あたり良好!』等がスタート。『レモンエンジェル』は5分枠のミニ番組だが、深夜美少女アニメの原点ともいうべきシリーズであり、当然、コアなファンを意識した企画だった。しかも、かなりの珍品だった。この作品については、改めて話題にする予定だ。
『エスパー魔美』は、藤子アニメではあるが、主人公が中学生の女の子であり、ドラマ主体の大人びた作りの作品だった。『ミスター味っ子』は奇天烈なキャラクターと、あっと驚く派手な表現が続出するとんでもないグルメアニメ。必ずしもティーン向けではなかったが、『アニメ三銃士』や『ビックリマン』にもアニメファンの人気が集まった。
メガヒットこそなかったものの、ティーン以上のアニメファンが楽しめる作品が、いくつもスタートしたわけだ。前年からの継続作品としては『DRAGON BALL』『聖闘士星矢』等があり、前年のような寂しさはなかった。翌1988年にも、アニメファン向けの作品が何本かスタートし、ティーンの視聴者を意識した作品が元気を取り戻していく。今思えば、アニメブームが一段落した時に、アニメファン向け作品の流れがリセットされた。リセットによって生まれた空白期間が、1986年だったのだろう。
この年、僕はアニメージュの仕事が増えている。参加していた「TVアニメーションワールド」は、放映中のTVアニメから傑作エピソード、スタッフ、資料などをピックアップするコーナーだった。どの作品をどんなふうに取り上げるのかを考えながら、作品をチェックしていた。
第354回へつづく
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