第441回 劇場版『聖闘士星矢』4部作
『聖闘士星矢』は、TVシリーズ放映時に4本の劇場版が作られている。以下の4本だ。
第1作『聖闘士星矢』1987年7月18日公開(脚本/菅良幸 美術監督/窪田忠雄 作画監督/荒木伸吾 監督/森下孝三)
第2作『聖闘士星矢 神々の熱き戦い』1988年3月12日公開(脚本/小山高生 美術監督/窪田忠雄 作画監督/荒木伸吾 監督/山内重保)
第3作『聖闘士星矢 真紅の少年伝説』1988年7月23日公開(脚本/菅良幸 美術監督/窪田忠雄、内川文広 作画監督/荒木伸吾 監督/山内重保)
第4作『聖闘士星矢 最終聖戦の戦士たち』1989年3月18日公開(脚本/菅良幸 美術監督/窪田忠雄 作画監督/直井正博 監督/明比正行)
第3作の『真紅の少年伝説』以外は「東映まんがまつり」プログラムの1本として公開されている。『真紅の少年伝説』は、劇場版『魁!!男塾』と2本立ての興行だった。他の3本は40分台の中編で、『真紅の少年伝説』のみが75分の長編である。当然と言えば当然だが、4本ともアクション中心の内容だ。いずれも、その作品オリジナルの巨悪が登場。城戸沙織=アテナ(声/潘恵子)が、巨悪の手に落ちて、青銅聖闘士のペガサス星矢(古谷徹)、ドラゴン紫龍(鈴置洋孝)、キグナス氷河(橋本晃一)、アンドロメダ瞬(堀川亮)、フェニックス一輝(堀秀行)が彼女を助けるために、死闘を繰り広げる。4本とも、青銅聖闘士5人それぞれの見せ場が用意されていた。
第1作から第3作では、荒木伸吾が作画監督を担当。これが素晴らしい仕事だ。キャラクターは流麗であり、アクションはパンチが効いていた。劇場版に連続して参加しているため、彼はTVシリーズ『聖闘士星矢』での作監回は決して多くはない。だから、荒木作画が堪能できるだけでも、ファンにとって劇場版は嬉しい作品だった。凝った撮影、豪華な音楽も、劇場作品らしい見応えに繋がっていた。
これは僕だけの思い込みかもしれないが、同じ東映動画(現・東映アニメーション)が「少年ジャンプ」の人気マンガを映像化した『キン肉マン』や『DRAGON BALL』に関しては、あくまでTVシリーズが本編であり、劇場版は番外編という位置づけ。それに対して『聖闘士星矢』に関しては、劇場版もTVシリーズと並ぶ存在だと受け止めていた。そう感じたのは、さっきも述べたように、TVシリーズでは参加が多くはなかったキャラクターデザイナーの荒木伸吾が、劇場版で存分に腕を振るっていたため。そして、アニメ『聖闘士星矢』の完成形とでもいうべき傑作が生まれたからだ。
第442回へつづく
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(10.08.31)