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COLUMN

練馬大根日記[浦沢義雄]

第4回 清少納言はうそつきです


 好奇心がまったくありません。
 よく脚本家になれたものだと思います。
 好奇心がもう少しあれば……脚本家にはならなかったと思います。
 理由は判りません。

 新しい物にまったく興味がありません。
 かと言って、古いものが好きかと言うと、そうでもありません。
 みんなが好きなものは、嫌いになるクセがあります。
 クセとしか言いようがありません。

 日記を書くのが、こんなに苦痛だとは知りませんでした。
 何を書いていいのか判らないのです。
 清少納言はうそつきです。
 つれづれなままに書こうと思っても書けないのです。
 清少納言と自分を一緒にする自分がおろかです。
 “おろか”という漢字を辞書で引く気にもなりません。
 辞書はカシオの電子辞書を使っています。
 文化といえば、この電子辞書とFAXと最近持たされた文字の大きなケータイだけです。
 パソコンがないのでこの日記を読むことができません。
 今どきパソコンがない生活などと言う人がいるかもしれませんが、います。
 どうしてこんな生活になってしまったかというと……ワープロの時です。
 25、6年前、みんながワープロを使い始めた時、買おうと秋葉原に出かけました。
 その頃の秋葉原はまだ電気街です。
 でも、どこでワープロを売っているか判らず、御徒町に行って餃子を食べて帰ってしまいました。
 以来、手書きです。
 スタッフの皆さんには迷惑をかけています。
 特に「練馬大根ブラザーズ」。この手書きの原稿をパソコンで打ち直してくれるデスクの富樫さんには。
 でも彼女は、時々勝手に私の原稿を書き直しています。
 近々、日本脚本家連盟に訴えようかと思っています。

■第5回へ続く
 

●関連サイト
http://www.ndbrothers.com/

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(05.11.28)

 
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