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練馬大根日記［浦沢義雄］

第15回　バレンタインの日の思い出

　バレンタインの日、チョコレートをひとつも頂けませんでした。
　家から一歩も外に出なかったので、当然といえば当然なのですが……。

　バレンタインのチョコレートには苦い思い出があります。
　数年前、バレンタインの日に、ある制作会社で打ち合わせがありました。
　会議の前にその会社の女の子たちから結構大量のチョコレートを頂きました。
　もちろん、義理チョコっていう奴ですが。
　会議が終わってスタッフと食事に行くと電話がかかってきました。
　その会社の女の子からでした。
　怒ってました。
　会議室にプレゼントしたチョコレートが全部あるというのです。
　忘れてしまったのです。
　取りに行くと言うと「もういいです」と電話を切られました。

　大体、バレンタイン・デーは馴染めません。
　中学の時、下駄箱にチョコレートが入ってました。
　別の下駄箱を開けるとそこにも入ってました。
　下駄箱に入っているチョコレートを目茶苦茶に入れ替えてやりました。
　周囲で見ていた女子学生たちが呆然としてました。
　以来、女子生徒たちから総スカンです。

　当時、チョコレートが嫌いでした。
　それまでは好きだったのですが、チョコレートの食べ過ぎで虫歯になり、その痛さで苦しんでいたのです。
　若い時の歯の痛さといったら異常です。
　血の循環が良いためでしょうか？
　ベッドを拳で殴り壊して血だらけになった程です。
　今治水でうがいしてしまったこともあります。

　そんな私がチョコレートを好きになれる訳がありません。
　森永クラウンチョコレート、ロッテガーナチョコレート、明治ミルクチョコレート、不二家ルックチョコレート等々。
　みんな憎んでいました。

■第16回へ続く

●関連サイト
『練馬大根ブラザーズ』
http://www.ndbrothers.com/

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