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『時をかける少女』応援企画

『時をかける少女』に期待する(11)
五味洋子 (アニメーション研究家)


 まず大きな期待は、細田守監督久々の新作、しかも長篇であることです。かつて『デジモンアドベンチャー』その他で見せてくれた緻密で鮮烈な作風が長篇の中でどんな風に展開されるのか、期待は高まるばかりです。
 加えて『時をかける少女』という題材そのものへの期待。まだSFも筒井康隆の名も知らない子供の頃に見たNHK少年ドラマシリーズの『タイム・トラベラー』。城達也のあのナレーション、当時は想像すらできなかったラベンダーの香りという秀逸なアイテム、それらはあの夕方の私たちを確実に別の時間へいざなってくれたもので、私の原体験になっています。
 今回のアニメ化にはヒロインとは別に芳山和子その人も登場するとか。元祖・時をかける少女はいかなる姿で現れてくれるのでしょう。興味は尽きません。
 そして『時をかける少女』の映像化といえば『タイム・トラベラー』の衝撃とまた違う瑞々しい輝きを見せてくれた角川映画版のヒロイン、原田知世。原田さん自身、時の流れを超越したような透明感を持ち続けている女優さんですが、その彼女が声を好演したのがTVシリーズ『おジャ魔女どれみドッカ〜ン!』での、永遠に近い魔女の時間を生きる女性。そしてこの異色回『どれみと魔女をやめた魔女』の演出家が細田守その人なのです。
 思えば細田氏の作品は『デジモン』も『どれみ』も『劇場版ワンピース』も皆、時間が重要なキーポイントでした。その時間を扱った真髄とも言える『時をかける少女』。
 と、今回の映画化には、幾重にも連なって期待の輪をかけずにはいられません。
 予告で見る限り、かなり現代的で活発なイメージのヒロインはどんな風に時をかけるのでしょう。作品そのものが永遠の時をかける存在になることは疑いもなく、私も今から公開を待ちこがれているのです。


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●関連サイト
『時をかける少女』公式サイト
http://www.kadokawa.co.jp/tokikake/

『時をかける少女』公式ブログ
http://www.kadokawa.co.jp/blog/tokikake/



(06.07.14)

 
 
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