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『時をかける少女』応援企画

『時をかける少女』に期待する(5)
原口正宏(アニメーション研究家)


 細田守監督、新作『時をかける少女』の完成、おめでとうございます。
 昨年の夏、『ひみつのアッコちゃん』DVD-BOXの取材でお会いする直前、私は風の噂で、あなたの次回作が『時をかける少女』であると知りました。
 何と素晴らしい! 以来、心密かにその物語を想像し、画面を妄想するという誠に楽しい日々を過ごしてきました。
 細田さんの作品はいつもワクワクしながらその仕上がりを待つ私ですが、今回はいつにも増して、期待値が高まる理由がありました。『時かけ』は個人的に、大変思い入れの深い作品だったからです。NHKの少年ドラマシリーズ第1作『タイムトラベラー』は欠かさず視聴しましたし、親に買ってもらった原作も何度読み返したことか。1982年の大林宣彦監督版『時かけ』に至っては台詞を丸暗記するほど惚れ込み、ほとんどバイブルでした。近年では、安倍なつみ主演のテレビスペシャル版もかなり気に入っています(なっちファンだという理由も大きいけど……)。
 そんな大好きな『時かけ』を、大好きな細田さんが監督する──これは二重の喜びというものでした。
 途中で、今回のアニメ版は芳山和子が主役ではなく、ストーリーも登場人物もオリジナルになるという情報が入ってきました。でも、私は心配になるどころか、細田監督ならきっと作品の本質を見事に抽出した、まったく新しい『時かけ』を作り上げてくれるに違いないと思いました。未知数の領域が広まったことで、ますます期待値は上がったのです。
 さらに月日は下り、芳山和子は脇役で出演するという続報が! ここで『どれみと魔女をやめた魔女』を連想しなかった細田ファンはどれほどいるでしょうか。私もつい連想してしまった一人でした。同時に、「そうか、オリジナルとはいえ、元の『時かけ』と世界観はつながっているのかも!」と再び原作ファンの血が燃え上がりました。「角川映画だし、もしかして和子役は原田知世?」と別の期待をしてしまったことも、今だから告白します。
 そして7月。公開は目前です。思えば長いようで短い、短いようで長い1年でした。
 先日、絵コンテと一緒に、ひと足先に完成前の映像を拝見しました。本当は音も映像もすべてが揃った状態で作品と初対面したかったのですが、それでもこの作品が期待通り、細田監督の新たな代表作になることは容易に想像できました。また、作品が紛れもなく『時かけ』になっていることも……。
 この夏は、真琴、千昭、功介の過ごした“時間”が、私にとってもかけがえのないものになりそうです。

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●関連サイト
『時をかける少女』公式サイト
http://www.kadokawa.co.jp/tokikake/

『時をかける少女』公式ブログ
http://www.kadokawa.co.jp/blog/tokikake/



(06.07.06)

 
 
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