今こそアニメロマネスク
今週末の16日(日)にアニメスタイルイベント「晩秋の第3回いろんなアニメを観ちゃおう大会」を開催します。詳しくは
こちら
を。以下はそれと関連して「アニメラマ」と「アニメロマネスク」について。
虫プロダクションは『千夜一夜物語』(1969年)、『クレオパトラ』(1970年)、『哀しみのベラドンナ』(1973年)と、30年ほど前に3本の「大人のための」劇場作品を作っています。『千夜一夜物語』と『クレオパトラ』は「アニメラマ」、『哀しみのベラドンナ』は「アニメロマネスク」と呼ばれていました。
僕は、子供の頃に『千夜一夜物語』と『クレオパトラ』をTV放映でワクワクしながら観ました。特に『千夜一夜物語』の方はスケールの大きな娯楽作で、冒険あり、エロチックなシーンあり、実写やミニチュアを合成した映像も大胆なもので、かなり印象的な作品になっています。アート的で、更に過激な『哀しみのベラドンナ』は、随分経ってからビデオで観たのですが、これはそのあまりに先鋭的な内容に衝撃を受けました。30年早かった作品だと思いますよ。フィルムとしてのテンションが高くて、驚くような表現が次々に登場。アート的なアニメーションが注目を集めている現在だからこそ、振り返られるべき作品でしょうね。
ずっと不思議に思っているのですが、この虫プロの3本って、ほとんど振り返られる事がないんです。『千夜一夜物語』と『クレオパトラ』に関しては、公開当時、大ヒットした作品なんですけれどね。同時期の東映動画の『太陽の王子ホルスの大冒険』や『長靴をはいた猫』(こちらは大人向けではないですが)が、頻繁に話題になっているわけですから、もっと観られてもいいんじゃないかと思うんですが。
この3本は来年1月にDVDがリリースされますので、興味がある方はこの機会にご覧になってください。特に『ベラドンナ』はお勧めです。このDVDは、僕もちょっとお手伝いする予定です。16日の「アニメスタイル」イベントでは、この『哀しみのベラドンナ』も本編を抜粋して上映。作画監督を担当した杉井ギサブローさんにもゲストとして来ていただきます。
またこのイベントでは、当時作られたものの放映される事がなかった『悟空の大冒険』(1967年)の出崎統演出エピソード「ニセ札で世界はまわる」も上映できることになりました。トバした内容だった『悟空の大冒険』の中にあって、最高にトバしたエピソードです。ひょっとして、あまりにトバし過ぎた内容に、ついてこられない人が続出するかもしれませんが(苦笑)。お楽しみに。
(03.11.14)
更新情報(03/11/14・第103回)
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16日の「いろんなアニメを観ちゃおう大会」詳細
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