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  アニメラマ映倫カット問題

 またまたアニメラマの話です。ここのところ、アニメラマのDVDに関連して虫プロダクションに現存する資料を拝見したり、今までの出版物を読み返したり、当時のスタッフに話をうかがったりしていました。
 でね、僕達は『千夜一夜物語』『クレオパトラ』『哀しみのベラドンナ』のアニメラマ3部作について、あまりにも知らなかったんだなあ、という事を思い知っているところですよ。例えば『千夜一夜物語』に東映動画系のある有名アニメーターがペンネームで参加しているとか、『哀しみのベラドンナ』になんとびっくり、実写パートが入る予定だったとか、あるいは杉井ギサブローさんがエロチック作画のエキスパートで、3作のいずれでも一番凝った(つまりアート的な)ベッドシーンの原画を描いているとか。へえ、そうだったんだと感心する事ばかり。
 昔のアニメに興味がある人は知っていると思うけど、「日本アニメーション映画史」(有文社)という本があります。もう四半世紀も前に出た本ですが、僕らの世代だとアニメラマについての知識は、随分と永い事、この本から得たものが大半でした。1986年にアニメラマ3作品がLD化され、それぞれに副音声としてスタッフのコメンタリーが付き、1989年に3作品の監督である山本暎一さんの自伝「虫プロ興亡記 安仁明太の青春」(新潮社)が発表。現状では、この3点がアニメラマに関する主な資料であるはずです。LDのコメンタリーも、山本さんの著作も興味深い話が山盛りなのですが、まだまだ情報が足りない。いざ、まとめようと思って、それらの資料を読み込むと、新たな謎が出てくる。
 例えば、アニメラマで映倫カットされた作品はなにか? 「日本アニメーション映画史」では『ベラドンナ』で初めてカットされたとされ、LDのコメンタリーと「虫プロ興亡記」では『クレオパトラ』で最初のカットがあったとされ、今回のとある取材では『千夜一夜』でもカットがあったんじゃないかという話が飛び出す始末。うわあ、どれが本当なんだ。
 今回の取材や調査の成果は、来月にリリースされるDVDの解説書なり、この「WEBアニメスタイル」なりでいくらか披露できると思います。ちなみに今回のDVDには、LDのコメンタリーも再収録される予定。お楽しみに。
(03.12.19)

更新情報(03/12/19・第106回)
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