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  ネットアニメ雑誌の有利な点

 次回の「アニメスタイル」イベントが決定した。連載中の「週刊ユアサ」でお馴染みの湯浅政明さんの特集だ。日時はちょっと先の6月27日(日)、場所はお馴染みロフトプラスワン。イベントの内容については(まだあまり決まっていないが)こちらを。

 以下が本題。

 今回の更新で「『アニメラマ三部作』を研究しよう!」が一段落。実は「アニメラマ」関係で別の企画もあるのだけれど、それはまたいずれ。それとは別に、近々に「DATA BASE」コーナーで3作品の解説も掲載する予定だ。
 わずか5回のシリーズだったけれど、この企画はやってよかったと思う。色んな資料を見る事もできたし、初めて知った事も多い。僕にとっては、改めて虫プロダクションの作品について考えてみる機会にもなった。
 アニメラマの3本がいかにアニメ史において重要な作品だったとしても、その研究本を作る機会なんてなかなかないだろうし、売れ行きを考えねばならない紙の雑誌でそんな昔の作品の特集をするのは難しい。最近はDVDの解説書が、過去の作品の研究や資料の発表の場になる事が多いが、DVDの解説書なんてそんなに大勢の目に触れるものではないわけで、それが研究本化していくのは、必ずしもいい事ではない。今回の企画は、僕がアニメラマのDVDの制作に関わった事から始まったのだけれど、取材した内容などを解説書の中で完結させるのは勿体ない、むしろWEBで展開して多くの人の目に触れるようにした方がいいんじゃないかと考えた。直接商売にはつながらないけれど、やっておきたい記事をやれるという事も、ネットで雑誌をやる事の有利な点なんだと思う。
 アニメの記事をネットでやる事について、不利な点は沢山ある。最も大きいのが画像を自由に使う事ができない事だ。読者の方から「記事に関連した画像を載せてほしい」と言われる事もあるのだけれど、それが難しい。紙の雑誌については制作会社やメーカーから、画の使用を許可してもらうためのシステムができ上がっているけれど、ネットに関してはそのあたりがまだまだ未整理なのだ。画像の使用は許可されない場合が大半だし、許可されている場合でも、ほとんどがすでに決められた画像のみ使用できるというかたちになっているはずだ。つまり、「WEBアニメスタイル」がやりたいような「この話のこのカットの画を載せたい」といったこだわりは、まず通用しない。
 「『アニメラマ三部作』を研究しよう!」では、虫プロダクションさんとコロムビアミュージックエンタテインメントさんのご厚意により、話題になっている場面そのものを記事中に掲載する事ができた。ネット雑誌としては、これもちょっと画期的だった。

(04.03.15)

更新情報(04/03/15・第117回)
「アニメラマ三部作」を研究しよう!
杉井ギサブロー インタビュー(後編)
湯浅政明の「週刊ユアサ」(第10回)
第18回アニメスタイルイベントは  
待望の「湯浅政明特集」だ!


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