予想通りで、予想以上
今回の更新から「
animator interview 山下将仁
」が始まる。「WEBアニメスタイル」読者には今更紹介は不要かもしれない。『鉄人28号[新]』『うる星やつら』『DALLOS』等の作品で、多くのファンの注目を集めたアクションアニメーターである。色々と前から気になっている話を訊く事ができた。
それから
前々回の更新でもお伝えした通り
、小池健の最新短編が3月23日(火)にSMAPの特別番組内で放映される。放映時間がズレる可能性もあるので、直前に新聞やネットの情報サイトなどで確認していただきたい。
で、以下が本題。
世間は『イノセンス』の話題で盛り上がっている最中だけど、今回はちょっと先に公開される予定の映画『MIND GAME』のお話。湯浅政明の長編初監督作品である。先週、初号試写にお邪魔してきた。
昨年末の「アニメスタイル」イベントでラッシュビデオの一部を観た時から、これは凄そうだと思っていた。普段は自分の仕事に謙虚な湯浅さんも「結構、面白いものになっていると思う」と自信のほどを語っていた。
実際に観た『MIND GAME』は湯浅テイストがたっぷりという意味では予想通り。全体のパワーや映画としての充実ぶりに関しては予想を遙かに上回っていた。つまり予想通りで、予想以上。まだ、劇場公開どころか、情報がほとんど公開されていない状況なので、具体的な事は書かない。「作り手の作風」と「やりたい事」が一致していて、気持ちよく作品を作りきったのだろう。素直に作る事ができて、しかも凄い事をやっているわけだ。それが実に気持ちよかった。言わんとしている事は普遍的な事で、主人公もそこらにいそうな普通の若者で、だけど、起きる事件や、それを描く手法は一風変わっている。表現に力があって、物語も面白い。湯浅さんらしいシュールな味わいもたっぷり。文句なしの出来だ。
原作はロビン西の同名漫画。あまりにも変わった話なので、原作がどうなっているのか気になって、昨日、湯浅さんに会った時に原作の単行本を見せてもらった。湯浅さんが原作を相当にアレンジして映画化したのだろうと思ったのだけれど、実際に目を通してみたら、そうでもない。原作も相当にキている漫画だったのだ。よき原作とよきクリエイターの出会いだったわけだ。なるほど。
ちょっとマニアックな作品ではあるが、なるべく多くの人に観てもらいたいなあ。「アニメスタイル」は『MIND GAME』を応援したいと思う。
(04.03.18)
更新情報(04/03/19・第118回)
animator interview
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