宇宙霧 千々松幸子歌集
知らない人は全く知らないけれど、知っている人は大好きな、カルトなギャグアニメ『ファイトだ!!ピュー太』のDVDBOX化が決定しました。6月発売だそうです。今までも何度かDVD化の計画が動いていたようですが、どれも実現しなかったんですよね。正式な発表はまだですが、メーカーさんから許可をいただいて、ここで先行して書かせていただきました。詳細が分かりましたら、またお知らせします。
先日、声優の千々松幸子さん、堀絢子さんの取材をしてきました。前に大地さんとの放談でも話題になった、もっとベテラン声優を取り上げよう計画の一環です。皆さんに取材記事をお見せできるのは、ちょっと先になると思いますが、お楽しみに。どちらの取材でも「ええっ! そんなお仕事もおやりだったんですか」と驚くエピソードがありましたよ。
取材と前後して、千々松さんがお出しになった歌集「宇宙霧 千々松幸子歌集」をいただきました。前からこの本の存在は知っていたのですが、手にとったのは初めて。それもそのはず、一般書店では販売していない本なんだそうです。
僕は短歌に関する知識なんて、まるでありませんが、この本は興味深く読むことができました。声優のお仕事にまつわる歌も多いですし、千々松さんのプライベートな部分が垣間見える歌もあります。亡くなられた役者さんにまつわるものもあって、読んでいて、ちょっとしんみりしてしまいました。
いくつかの歌を紹介しましょう。
まずは『ど根性ガエル』関連のもの。千々松さんはピョン吉を演じられています。
いま開いた〈開かずの踏切〉わたらむと駆け出ししとき体宙に浮く
めげかけた心はげまし呟きぬ「根性根性、ド根性だーい!」
ひとつ目の歌は、急いで駆けだした千々松さんの気持が、宙を浮くピョン吉のようだ、という意味なんでしょうね。素晴らしい。以下は『銀河漂流バイファム』の続編で、13年ぶりにキャストが集まったときのもの。千々松さんが演じたのはジミーです。
ひとり引退ひとりアメリカ 子ども役の十三人中十一人そろふ
『ドラえもん』関係の歌もいくつもあります。ご本人がエッセイや自伝を書いても、これほど仕事やキャラクターへの想いを、鮮やかに表現することはできなかったかもしれません。声優ファンなら買って損のない一冊でしょう。「宇宙霧 千々松幸子歌集」は、ぷろだくしょんバオバブのHPで買うことができます。
[千々松幸子歌集 宇宙霧 購入ページ]
http://www.ref.co.jp/baobab/uchiumu/
さて、今週の更新から『鋼の錬金術師』でお馴染みの水島精二監督と、僕の放談が始まります。以前の大地さんとの新春放談に続く、シリーズ第2弾ですね。今回は他には「東京国際アニメフェア2005」のレポート。「アニメ様の七転八倒」は『アンデルセン物語』についてです。
(2005/04/07)
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