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【編集部】「この人に話を聞きたい」単行本(4)
原恵一さんのインタビューをちょっとだけ紹介
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「この人に話を聞きたい」単行本が遂に完成! 先日のアニメスタイルイベントで先行販売しました。一般書店やネット通販では、10月16日頃から発売される予定です。[Amazon]ではすでに予約ができるようになっていますよ。
今日は「この人に話を聞きたい」単行本に掲載した記事をほんの少しだけ抜粋して、紹介しましょう。第9回の原恵一さんの回から、映画『クレヨンしんちゃん』シリーズについて語っている部分です。
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―― 映画版はどうなんですか。御自身の中だと。
原 『しんちゃん』の映画は凄く楽しみながらやってきています。
―― 映画は最新作が7作目ですが、最初の4本は本郷さんが監督で、原さんは演出、本郷さんと共同で絵コンテでしたよね。実際の仕事の分担はどのようなかたちで。
原 原作者の臼井(儀人)さんのメモを元に、本郷さんがプロットを起こして、一緒にコンテに入るというやり方でした。
―― 同時進行で、原さんが前半を描いて、本郷さんが後半を描いているみたいな。
原 うん、そうそう。1本目は前半後半ではっきり分けちゃったんですけどね。2本目以降は結構、入り乱れてますよ。
―― 1本目の『アクション仮面VSハイグレ魔王』では、前半は本当に淡々と日常を描写していて。
原 ええ。あの辺は僕がやったんです。
―― 後半の本郷さんのパートはアクションシーン山盛り。分かりやすい構成ですよね。『雲黒斎』はどうなんですか。
原 時代劇シーンは、ほぼ僕がやりました。時代劇という事もあって、相当入れ込んでやってましたね。
―― 時代劇がお好きなんですね。
原 うん、そうですね。メチャメチャ好きな人に比べれば、僕はそんなに観てる方じゃないと思うんだけど、一度やってみたかった。原画にもそういう人がいてね、助かったんですよ。模擬刀を横に置いて、コンテやってましたよ(笑)。
―― 自分で刀を持って、ポーズをとりながら。
原 うん。分からなくなると誰かに相手してもらって、「こう来てこう来たら、次はこうか」とかね。チャンバラはかなり燃えましたね。また機会があったら、やりたいですね(笑)。
―― 5作目以降は、本郷さんが抜けて、原さんが監督としておやりになっているわけですが。
原 そうですね、割と好き勝手に遊ばせてもらっていますね。「今度はこんなのにしよう」という上からの声みたいなものが、ほとんどないんですよ。僕みたいなタイプからすると、誰かから「今度はこんなの」と言われて、やった方がいいのかもしれないけれど。
―― 最新作の『温泉わくわく大決戦』ですが。
原 今回、個人的に一番燃えたのは丹波哲郎ですよ。これはもう大興奮でしたね。
―― 今回は随分と「邦画」でしたよね。
原 それは思いました。「俺は日本映画をやっているんだよなあ」と。丹波さんに出演交渉をした時に、丹波さんが「その映画に自分が必要なら出てもいい」と言ってくれたらしいんです。その話を聞いた時にね、ちょっと感動したんですよ。「映画? ……映画なんだよ! さすが映画人、言う事が違うなあ」って。「『しんちゃん』とはいえ、日本映画なんだ」って。
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この取材の時点では、第7作『クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦』が最新作だったんですね。故・丹波哲郎の出演のエピソードは、この後も少し続き、「日本映画」を意識したという話に繋がっていきます。また、『しんちゃん』関係では、しんちゃんの父親である、ひろしに対する思いも語られています。その部分は、後の『オトナ帝国の逆襲』を観た後に読むと合点のいく部分があるかもしれませんね。
【編集部】「この人に話を聞きたい」単行本(5) に続く
●商品情報
「この人に話を聞きたい アニメプロフェッショナルの仕事 1998-2001」
著者:小黒 祐一郎
発行:スタイル
発売:飛鳥新社
価格:3000円(税込)
Amazon
(06.10.11)
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