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【編集部】「この人に話を聞きたい」単行本(8)
今石洋之さんのインタビューをちょっとだけ紹介


 今日も単行本の内容を、抜粋して紹介します。「WEBアニメスタイル」でお馴染みの今石洋之さんの記事から。『彼氏彼女の事情』の“あの”劇メーションについての話題です。
 


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―― いよいよ、伝説となっている19話の劇メーションについて、うかがいたいんですが。
今石 (笑)。
―― あれはどういう経緯で生まれたんですか。
今石 僕は普通にやるつもりだったんですよ。だけど、僕がコンテを描いている横で、毎日、庵野さんが「『猫目小僧』だ」とか「劇メーションをやれ」とか、囁いてですね(笑)。段々それをやらざるを得なくなってきて。それに、この先10年アニメをやったとしても、こんな事ができるチャンスはもう無いんじゃないかと思いはじめて。
―― 『猫目小僧』は、観た事あったんですか。
今石 観た事なかったんですよ。「観た事ないですよ」と言ったら、庵野さんが『猫目小僧』のビデオを持って来てくれて。「これだ!」と言われたんですけど。意外と……というか、ちゃんと作ってあるんですよ、『猫目小僧』は。
―― ちゃんとした番組になっていたわけですね。
今石 ええ。庵野さんから「割り箸に画を貼り付けたものを撮影しているんだ。それで色んな事やっていて、凄いんだよ」と聞いていたので、かなりショボいんだろうと思っていたら、ちゃんと作ってるじゃないですか。しかも実写畑の、例えば特撮とかやってるような人が作ってる番組じゃないですか。それで、これをそのままパクるのは無理だよと思って。
―― 『猫目小僧』は光の使い方とか、凝っていたりするんですよね。
今石 ええ。ドライアイスの煙がワーッと出てくるのを低速で撮って使ったりとか、ちゃんと作ってあるんですよ。
―― 実写のノウハウがある。
今石 あれは1週間やそこらで真似できるようなものじゃないから、「これは無理だ」と思って。ああいうペーパーアニメにしたんです。それで庵野さんに、散々「この、根性なし!」とか言われたんですけどね。
―― 全体をペーパーアニメにして、最初と最後だけ劇メーションにしたわけですね。
今石 自主アニメでやっていたから、自分にペーパーアニメのノウハウはありますから。とりあえず、まず、絵コンテを切って。「後はお願いします」と庵野さんに渡して。で、庵野さんが「こことここは、劇メーションに」と。

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 この後も劇メーションについての話題は続きます。また、この記事では今石さんの初期の代表作である『ミクロマン』の26話や、『メダロット』の14話についても語ってもらっています。作画マニアは要チェック!

【編集部】「この人に話を聞きたい」単行本(9) に続く


●商品情報
「この人に話を聞きたい アニメプロフェッショナルの仕事 1998-2001」
著者:小黒 祐一郎
発行:スタイル
発売:飛鳥新社
価格:3000円(税込)
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(06.10.17)


 
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