第21回 佐藤裕紀
今回はGAINAXのプロデューサーである“てんちょさん”こと佐藤裕紀さん。アニメに対する熱い情熱を持ち続けている人だ。僕はアニメが好きな事に関しては自信があるが、彼に対しては「負けた!」と思う事がある。この記事でも彼のアニメについての情熱が感じ取れる。特に「オレは、究極のアニメファンなんだなあ」の話には感心した。
てんちょさんとは、ずっと仕事でご一緒させてもらっていたけれど、アニメ界に来るまでの話などは、知らない事ばかり、やっぱり話は聞いてみないと分からない。アニメ好きの彼が『フリクリ』を作っている理由も面白い。
ところで、この記事についているDAICON FILMについての注がやたらと長い。自分でも、なんでこんな長い注を書いたのだろうかと思うくらいに長い。DAICONの話はこの後も何度か出てくるだろうと思って、たっぷりと書いたのだろう。
第22回 福田己津央
その後、大ヒット作『機動戦士ガンダムSEED』を手がける福田監督。この記事は、長期に渡った『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』を終え、『GEAR戦士 電童』が始まる頃の取材だ。
彼がアニメ界に入ったきっかけには触れていない。話題は『サイバーフォーミュラ』に絞って、そこから福田さんのドラマ作りについて聞くという構成。TVとOVA初期の頃、僕は『サイバーフォーミュラ』に仕事で色々と関わったのだけど、OVA後期は1ファンとして観ているだけだった。それもあってOVA後期について、特に力作だった最終シリーズ『SIN』について聞きたかったのだ。
『SEED』で初めて福田さんの作品に触れた人が読んでも、面白い記事になっていると思う。それから、この時のようなノリで『機動戦士ガンダムSEED』のドラマ作りについても一度聞きたいと思っている。
第23回 山内重保
公開中だった劇場版『デジモン アドベンチャー 02』は、ファンの間での評判はあまり芳しいものではなかった。「え、そんな、あんなに凄い作品なのに」と思った僕は、生意気にも作品の応援をするつもりで、この時期に取材を申し込んだ。
そのため劇場版『デジモン 02』の話が中心となり、他の作品についての話題はボリュームが少なめになっている。劇場版『デジモン 02』は濃密なムードで観客を飲み込む異色作であり、作品を理解したつもりで取材に臨んだのだが、山内さんの狙いは僕が予想していたよりもずっと高度なものだった。
山内さんは、この時の取材で「○○は××です」とか「△△だと思います」といったかたちの断言をあまりせず、語尾を曖昧にする発言が多かった(それは劇場版『デジモン アドベンチャー 02』のテーマとリンクした事でもある)。なるほど、あまり断言をしたくないのだな、と思ってそれを尊重して記事をまとめたのだけど、それでも原稿チェック時に、ご本人に「あまり断言した感じにしないで」と言われてしまった。あれでも足りなかったか! まだ甘かったか!! 原稿まとめの道は奥が深い。
第24回 吉松孝博
写真を撮ったのは、僕の事務所であるスタジオ雄が入っている雑居ビルの屋上。こうして見るといいロケーションだ。吉松君が撮影中にずっとビールを呑んでいたというのは本当の話。これも読者の皆さんとはまるで関係ない話だけれど、雑誌「アニメスタイル」第2号のデータを印刷所に入れ、色校正紙が出るまでの間に、この取材をやったと記憶している。僕は精神的に相当疲弊していたはずだけど、読み返してみると、記事自体は呑気な調子でまとまっている。
取材中で吉松君が、マッドハウスを「やんごとなきスタジオ」と表現していたのは面白かったのだけど、読んだ人にふざけているととられるとマズいと判断して、雑誌掲載時にはその発言はカット。今回の単行本化で、本人の了承を得て復活させた。
第25回 渡部高志
取材をしたのは彼の新作である『無敵王 トライゼノン』の放映開始ひと月前。かなりお忙しい時に、時間をとってもらっての取材だった。『スレイヤーズ』シリーズで完成した彼の演出スタイルについて聞きたいというのが、この記事の狙い。海外との合作時代の話も面白かったし、合作をやってきた彼が『スレイヤーズ』等で使っている演出スタイルをつかむ過程も興味深かった。話の流れの関係もあって、近作であった『ブギーポップは 笑わない Boogiepop Phantom』に触れられなかったのが残念。
■第77回 「この人に話を聞きたい」打ち明け話(6) に続く