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初心者のためのホソダマモル入門・その１
最初の一歩は『ウォーゲーム』♪ の巻
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ついに始まりました、ホソダマモル入門！ このコーナーでは細田守についての基本的な事柄を、飽きもせずベラベラ語っていきます！
皆さんは細田守を知っていますか？ 朝から晩まで、夢の中まで『時をかける少女』の事を考えていますか？ え、知らない。おっくれてるぅーー♪ 細田守こそ稀代の演出家にして、今後最も注目されるであろう映画監督！ あ、申し遅れました。ワタクシ細田守親衛隊、隊員のふゆです。仲間内からは「多少行き過ぎの感があるふゆ」という愛称で呼ばれてます。ハイ、そんな訳で細田を知らぬ者には鉄槌を――いや、知ってもらうお手伝いをしたい。その志をガンガンぶつけていきますので、知らないあなたも大丈夫。ここで細田守について、頭の先から尾っぽまで全部紹介していきましょう。覚えたことは、お友達にも教えてあげて、ディアボロモンの如く、ホソダマニアを増やしていきましょう！
さて、細田守は知らないとしても、映画「時をかける少女」なら知ってるよ、という人は多いかもしれませんね。原作は筒井康隆、監督は大林宣彦。主演の原田知世に胸トキめかせた人もたくさんいるのでは。様々な実写監督が手掛けたこの題材ですが、なんと今回ついに劇場アニメ化するのです！ この大役を許された監督こそ細田守！ こう言えばその実力の程が伝わるでしょうか。
と、色々言ってはみましたが、やはり実際に作品に触れてもらうのがいちばんですな！ ここで「細田守といえば、これを見ておかなくちゃ」的な作品を数回にわたって紹介しましょう。
まず、絶対忘れちゃいけないのが『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム！』。細田初心者なら、これは見なければ。東映アニメーション制作の大ヒットアニメ『デジモンアドベンチャー』の劇場版２作目。それまで一部マニアからは熱い評価を受けていた細田ですが、この作品にて広く知られるところとなったわけです。記念すべき作品にして、世紀の大傑作な本作の魅力とは……？
●面白さその１！ 話が面白い！
『ウォーゲーム』を初心者にオススメする最大の理由。それがこれです。なんといっても話が面白い。本作はそんじょそこらの映画が束になっても叶わないくらい見事なタイムリミットサスペンスもの。迫り来るリミットに手に汗握る事、間違いなし！
そうそう、パソコンを使ったギミックも必見です。本作の公開は2000年。「2000年問題」が問われた、まさにその年。ネットワーク化された社会で、そのネットワークに深刻なトラブルが起きたら？――ネットワークを攻撃する敵デジモンと戦うというストーリーは、実にタイムリーな題材だったわけです。もちろん、今見ても十分新鮮でしょう。
そして、やはり衝撃はラスト10分。リアルタイムで進むサスペンス！ 目まぐるしく移り変わるカット！ もうドキドキしっぱなし。なかでも、モニター越しにしかデジモンを応援する事ができなかった主人公に訪れる……おっとこれ以上は言えません。ぜひあなたも背筋に電撃が走るような衝撃を受けてみてください。もうほんと……ヤバイですよ。
●面白さその２！ 演出がイケてる！
とにかくカット割りを含め非常にテンポがいい。決して飽きさせない作りで我々を釘付けにしてくれます。引いたカメラワークや同ポによる繰り返しは勿論の事、飛行機雲、標識など、のちの細田作品で「お馴染み」となるアレやコレやも登場し、まさに細田演出のオンパレード！ それがただの画面効果（コケオドシ）に終わる事なく、物語にとって必要な要素となっている点が、何より素晴らしいんですよ！ ……ゼーゼー（喘ぎながらもニヤリ）。ちなみに同ポとはカメラポジションが同じカット、という意味。これが独特のリズムを生み、ドキドキ感を我々に植え付けていくって寸法です。
また、こうした手法が、「一見いつもと同じだが、どこか違う」という日常を切り取っている点にも注目。親しみやすさを覚える一方、どこか異質な現実がせり上がってくる感じもします。そう、あなたの知らないうちに、何かが起こっている……キャアア！ といった恐怖が立ち現れてくるのではないでしょうか。……なんて、色々解釈しちゃったりなんかして。そんな事ができるのも、本作を美味しくいただける理由。
●面白さその３！ レイアウトがカッチョイイ！
細田演出の真骨頂とも言えるのが、そのカッチョイイレイアウト！ 緻密な背景と収まりのいい人物配置は、見てるだけでうっとりします。その秘密は、実際に東京お台場や島根に行き、ロケを敢行し、その写真を使っているところにあります。もちろん写真をただ使うのではなく、「いい感じ」になるように、構成し直しているんです。ひとつひとつのカットの実在感に溜息を吐くばかり……そんな鑑賞に身を任せてみると、さらに新たな楽しみも生まれるかもしれません。ただ、レイアウトのためのレイアウトってわけじゃなく、現実とネット世界との対比を見せるという狙いもあるわけです。
●面白さその４！ デジタルワールドが斬新！
そのデジタルワールドの表現は、まさに「細田守の想像力に脱帽せよ！」といえる斬新なものでした。本作の約200カットは３ＤＣＧを用いたもの。その空間表現はグラフィカルといえばいいのか……いや、やはりこれは実際に画面を見て、お楽しみいただきたい！ ＣＧの「質感」すら利用した、見た事がない世界にビックリする事請け合いです。
いかがだったでしょうか。本作を見ていない、という人は、人生を損している、と言っても過言ではありません。もし面白そうだな、とちらりとでも思ったら、ビデオショップに即刻走っていただきたい。『時をかける少女』をさらに楽しむためには、もうこれは必須ですよ。
そして、さらなる見所ですが！ ……あれ。もうお時間？ うむう。仕方ないですね。次回は、やはり『デジモンアドベンチャー』の劇場１作目と、ＴＶ版21話について語っていきましょう。これまた語るところの多い作品なんですよ！ ではでは！
●初心者のためのホソダマモル入門・その２へ続く
●ＤVＤ情報
「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム！／デジモンアドベンチャー」
DSTD02003／カラー／60分／片面１層／MPEG-2／ドルビーデジタル／16：９（レターボックス）
価格：4725円（税込み）
発売日：2001年１月21日
映像特典：細田守監督・関弘美プロデューサースペシャルインタビュー、メイキング、劇場予告・ＴVスポット
製作元：東映ビデオ株式会社
発売元：東映株式会社
［Amazon］
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●関連サイト
『時をかける少女』公式サイト
http://www.kadokawa.co.jp/tokikake/
『時をかける少女』公式ブログ
http://www.kadokawa.co.jp/blog/tokikake/
●関連記事
『時をかける少女』応援企画トップ
（各種関連記事へのリンクはこちらから）
【TOPICS】細田守監督・マッドハウス制作の劇場新作『時をかける少女』製作発表レポート（06.03.31）
(06.06.05)
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