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  今さら『GA』について

 前回まで掲載していた「animator interview 沖浦啓之」の関連記事として、『ピーターパンの冒険』のデータを上げます。この作品はビデオソフト化もされているんですが、ビデオでは各話エンディングのクレジットが端折られているんですよ(DVD版には入っています)。それもあって読者の方から「データをアップしてください」と言われていたものです。お役立てください。

 9月18日と25日に東京の新文芸坐で、『未来少年コナン』一挙上映のオールナイト興行があるようです。TVシリーズをスクリーンで観るというのも、ふた昔くらい前のファンイベントみたいで、愉しい企画ですね。名作『コナン』を未見という不心得者は、この機会に観ておくのもいいかもしれません。ただし、オールナイトなので18歳未満の方は入場できません。詳しくは以下のサイトを。

[新文芸坐] http://www.shin-bungeiza.com/

 さて、以下が本題。今さらだけど、第4期が放映中の『ギャラクシーエンジェル』について。先日、この作品について話をしたら、編集部のメンバーから「小黒さんは『ギャラクシーエンジェル』を高く評価しすぎている!」と言われてしまった。
 いや、決して高すぎる評価をしているわけではない。名作だとか、傑作だとまで言うつもりはないけれど、これがかつてなかったギャグアニメであるのは間違いない。1960年代に『悟空の大冒険』や『ビュンビュン丸』があり、70年代に『元祖天才バカボン』があり、80年代に『うる星やつら』があって、90年代に大地さんやナベシン(アフロ)のハイテンションギャグがあり、それで、現在、『ギャラクシーエンジェル』がある。そのくらいの位置づけにはなるはずだ。ギャグアニメとして相当に新しい。決して今までのパターンを再生産している作品ではない。
 かの名作『悟空の大冒険』が、いかにトバした内容で、シュールであったとしても、起承転結の中には収めて、エピソードの最後にはちゃんと次週に続くようにまとめていた。『ギャラクシーエンジェル』は、そこをハズしている。
 Aパートのエピソードでメインキャラが死んだはずなのに、何の説明もなくBパートでは生き返っていたり、ある話で主人公達がOLとして生活しているところで終わったのに、次の週にはいつものエンジェル隊に戻っていたり。これをファンは「投げっぱなし」と呼ぶ。最近の『ギャラクシーエンジェル』は、その投げっぱなしが持ち味なのだと開き直っている様子さえある。気持ちがいいくらいの無責任ぶり。で、単に投げっぱなしが面白いというだけでなく、投げっぱなしにする事を前提にしないと、成り立たないような破天荒なプロットも多い。
 『ギャラクシーエンジェル』はカテゴリーとしては、美少女ものでもあるのだけど、性格描写や設定の部分で、相当にキャラクターを崩している。あまりキャラを崩すと、ファンが引いてしまうのではないかと思っていたのだけど、アニメ雑誌などを見るとキャラ人気は維持しているようだ。これも意外だった。あれほど崩しても、嫌な感じにならないのは、キャラクターを、ちょっと無機的に扱っているためでもあるのだろう。
 大袈裟な言い方になるけれど、『ギャラクシーエンジェル』は、今まで越えられなかった一線を越えたアニメだと思っている。何かの行き着いた果て、とも言えるだろう。この作品を「アンチ物語」とか、「物語の崩壊」といったキーワードで考えるのも面白いかもしれない。

(2004/09/03)

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