第181回
アニキ大好き!!(その1)
つい先日放映された、
『戦国BASARA弐』
第6話「脅威の豊臣・毛利同盟!海原を裂く覇の豪拳!!」
の話です。これはもちろん以前この連載(第138〜144、152〜154回)でも書いた1本きりのOVAの延長上の仕事になります。順を追って説明すると、俺にOVAの監督の話がきた際は野村監督による第2期は決まってました。つまり最初から自分は第1期の第13話(いわば外伝的?)OVAの1本のみの仕事として受けたワケ。もともとその後『迷い猫オーバーラン!』やる予定だったし、本当に1本やって去るつもりだったんです。
ところが!
OVAのむとうやすゆき様のシナリオをコンテにして処理(演出)し、原画を描いていくうちに『戦国BASARA』の世界が気に入りだしたと同時に長曾我部元親と毛利元就が好きになったんです。特に
長曾我部元親——大好き!
左手ずっとポケットに突っ込んでるトコ? 碇槍持ってるトコ? いや、そーゆービジュアル的な事じゃあなくやはり
情の篤さ!
でしょう。例えばOVAの瀬戸内決戦、敵であるハズの毛利の斥候たちに対してですらその優しさ、懐の広さがうかがえます。そして
野郎ども、弔い合戦だー!!
のあたりはコンテ切ってる自分もすっかり熱くなってました。こーなってくると
この熱い男・長曾我部元親をそのへんにありそうな普通に「わ〜、大っきい」くらいの要塞に乗せるわけにはいかねえっ!
って気分になって、富嶽は「動く島」になったんです(第153・154回)。実はむとうさんからは
富嶽のイメージは「炎の転校生」(島本和彦・著)の「大陸学園」なんです
と言われてたんです。大陸学園といえば「歩く学園」。……でも元親のデッカさを表現するのには絶対、島サイズが必要だと、これまた直感で思ったんですね。でもその直感が正しかったのは今回『戦国BASARA弐』6話のコンテ切ってる時確信しました。……うん、やっぱり直感は頼りになる!(179回)
(10.08.19)