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第1回 テロップ・マニアの喜び
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つくづく自分はスタッフデータ・マニアである前に、“テロップ・マニア”なのではないかと感じることがある。同じスタッフデータを目にするのでも、それが紙に書かれた文字資料であるより、現物のエンディング映像であるほうが、はるかに喜びが大きい。やった! という気分になるのだ。文字の白さ、にじみ、下絵画面とズレてブルブルと動く微妙な揺れ具合(これはフィルムの場合に限られるが……)。手描きのテロップならなおさらで、書いた人の人柄が伝わってくるような癖のある書体が、まさに“クセ”になるほどタマらない。誤字さえもが愛おしく感じられるのである(その後、データを入力するときには一転、このことが地獄になるのだが)。
年代が古く、オープニングやエンディングの実態がよく判らなかった作品の、テロップ入り画面にようやく出会えたときなどは格別だ。喜びは“狂喜乱舞”へと変わる。しばらく前なら『W3』のオープニング、最近では『ファイトだ!!ピュー太』の各話エンディングがそうだった。永年追い求めた文字が、傷ついたフィルム面の上で踊りながら、今自分の眼前にある……生きててよかった! と思える瞬間だ。仮にまったく同じ内容でも、これが資料室の片隅から文字資料やノートの形で発見されたものであったなら、喜びのボルテージが2割くらい減じてしまっただろう。それくらい、私は“テロップ画面”を偏愛している。
で、ここからが本題。私は本年の3月より、『ひみつのアッコちゃん』のDVD-BOXの作業に関わっているのだが、このソフトにおいて、まさに宿願ともいえる“テロップ”との再会を成し遂げることができたのだ。 |
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