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第2回 『アッコちゃん』のエンディング問題
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ディープなファンならご存知かも知れないが、『アッコちゃん』のエンディングには、いつかは解決せねばならない課題があった。
説明しよう。ここ約四半世紀、全国で再放映されてきた『アッコちゃん』のフィルムは、第39〜最終話のエンディング映像が、すべて第34話のものに統一されている、という奇妙なものだった。世に名高い(?)“34話問題”である。これでは、第39話以降は毎回、作画監督を森利夫、演出を勝間田具治がやっていることになってしまう。すごいバイタリティだ! なんて感心していてはいけない。正しいマニアなら、ここで邪推する。
これは、本来あるべき第39話以降のエンディングフィルムが、おそらく再放映の混乱のなかで失われてしまったのであろう。エンディングがついていないのはまずいので、とりあえず穴埋め用に同じ話数(この場合は第34話)のフィルムを大量に焼き、つないでしまったのであろう。かなり性格が悪いかも知れない。真相は薮の中だが、全国のファンは心密かに推理し、納得し、“34話問題”は語り草となって現在に至ったに違いない。
でも、『アッコちゃん』の第39話以降のエンディングは、本当の本当に失われたわけではなく、ネガフィルムはちゃんと保存されていた! 今から4年前、イベント「宮崎駿 漫画映画の系譜」のデータ作成をやらせていただいた私は、『アッコちゃん』の宮崎参加回を調べる過程で、そのことをしっかり確認した。
『アッコちゃん』のDVD-BOXに携われるなら、達成すべきテーマのひとつは決まったも同然。第39話以降のエンディングを半世紀ぶりに復活させること! “テロップ・マニア”の血が騒いだ。
結果は理想通りとなった。さすが東映化学工業、ネガフィルムの保管は完璧で、私のやったことといえば、各話のエンディングがつけ間違えられていないか、チェックすることだけだった。
完成DVDを再生し、第39話以降のテロップたちとの再会を果たせた私。おおい、元気だったか、本当の君たちよ。そんな気分である。
[DVD情報]
『ひみつのアッコちゃん 第一期(1969)』 コンパクトBOX1〜4
発売元:東映アニメーション株式会社 株式会社コムストックオーガニゼーション
販売元:BIG TIME ENTERTAINMENT
価格/1&3:22000円、2&4:21000円(全て税込)
発売日/1&2:発売中、3&4:6月24日発売
[Amazon] |
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